3製品の個性豊かなサウンドをチェック!
ではこの3製品の音質を比較してみよう。今回チェックするために利用した音源は、お馴染みのアノ曲を派手にアレンジした、ユー&ザ・エクスプロージョンの「ルパン三世'80(2005ニュー・ミックス)」、疾走感のあるギターのバッキングが印象的なOffspringの「The Kids Aren't Alright」、そしてエディット・ピアフの名曲をジャズ風にアレンジしたSophie Milmanの「La vie en Rose」である。それぞれ192kbpsでエンコードしたAAC音源を第3世代のiPod nanoに入れ、各イヤフォンに接続して試聴した。
中高音域が気持ちよく鳴ってくれるのがローランドのRH-ED1。La vie en Roseのサックスソロなどをしっかり響かせてくれるほか、ルパン三世'80のハイハットのような高音の打楽器の音も濁りがない。解像感も高く、個々の楽器の音がしっかり聞こえてくる。
一方で低音はおとなしめ。どの楽曲においてもベースの音は後ろに下がっている感じがあり、たとえばThe Kids Aren't Alrightではギターの影にベース音が隠れてしまう。ただ全般的に癖がない分、イコライザ機能を使った補正はしやすいだろう。
Shure SE115は中低音域に厚みがあり、The Kids Aren't Alrightのようなスピード感のあるロックを聴き応えたっぷりに再現してくれる。La vie en Roseのピアノの旋律、そしてサックスの音色の表情も豊かだ。
ただルパン三世'80を聴くと、高音の伸び不足を感じてしまった。ホーンセクションの音が抑えられていて、曲が持っている賑やかな印象が薄れてしまう。低音でグイグイと引っ張るロック系や、アコースティック系のサウンドが得意な領域と言えそうだ。
KDX300 GOLDは、KOSSらしい強調された低音が特徴的だが、高音の抜けもよい。この特性がバッチリはまったのがルパン三世'80で、迫力のあるホーンセクションとウォーキングベースのスピード感のある低音がしっかり鳴らされており、曲が持っている楽しさを存分に味わえる。
ロック系もKDX300 GOLDの特徴がよく引き出されるので、聴いていて気持ちがいい。ただ中低音域でギターのリフとベースラインの音域がかぶるような部分では、若干解像感不足を感じる。またThe Kids Aren't Alrightのベースのように堅い音にははまるが、La vie en Roseのウッドベースのような柔らかいベース音の場合はこもった印象が強くなってしまう。
好みの音楽ジャンルに合わせて
イヤフォンを選ぶのがいいかも
今回3製品を聞き比べてみたが、それぞれに個性があり、同じ音楽でもガラリと印象は変わる。ジャズやクラシック系の音楽はローランドのRH-ED1がおススメ。Shure SE115はロックを聞くのにいいが、ジャズも結構いける。KOSS KDX300 GOLDは「低音命!」であればジャンルを問わず試してみてほしい。
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