まずはボリュームライセンスの認知度向上を
福富氏は、中小・中堅企業では、コンシューマー向けの製品を購入してビジネスで利用するケースが多いとしたうえで、以下のように話す。
「(オフィスソフトを)プレインストールモデルで導入すると、基本的にはPCにひもづいたライセンスになります。このため、パソコンを新機種に入れ替えたり、故障で買い換えた場合、使用権が消えてしまいます。また、コストボリュームやパソコンを買い換えるときに新たな投資をしていることに気付きにくい面もあります」
まずはパッケージ購入、プレインストールとは異なる選択肢──ボリュームライセンスの認知度を向上させたいとマイクロソフトでは考えている。特に、同じソフトを複数のマシンで同時に使う企業向けの導入で、メリットがある点を強調していきたい考えだ。
それではボリュームライセンスのメリットとは何だろうか?
「ボリュームライセンスで運用されると、ソフトウェアのコストはPCと完全に切り離されます。このため、ハードを買い替えた際にも追加投資なく使い続けられます。自社がソフトに対してどれだけの投資をしているかが明確になり、効率化のポイントも見出しやすくなります」
また管理運用面でのメリットに関しても以下のように指摘する。
「パソコンを購入した時期で環境が混在してしまうという問題も防げます。中小企業のIT担当者はいろいろな業務を担当するケースが多く、(社内でのパソコンのトラブルや使い方を説明する)ヘルプデスク的な業務を担当している場合があります。バージョンが異なると操作方法も変わりますし、更新プログラムも個別に対応する必要が生じ、業務の負荷が上がります。これも見えにくいコストのひとつと言えるでしょう。ボリュームライセンスで運用いただくと、ダウングレード権などを利用すれば、バージョンの標準化を図りやすくなり、IT担当者の負荷軽減にもつながります」
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