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セカイカメラは人の思考をつなぐ 頓智・井口尊仁氏

2009年04月22日 16時00分更新

文● 松村太郎

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去る2月に開催された「セカイカメラ」のワールドプレビュー

ゲスト●頓知・代表取締役社長 井口尊仁氏

井口氏

立命館大学文学部哲学科を卒業後、演算星組や編集工学研究所、ジャストシステムなどを経て、1999年に国内CGM(Consumer Generated Media)の先駆けデジタオを創業。2008年には頓知・(トンチドット)を設立し、「TechCrunch 50」で発表した「セカイカメラ」が全世界的なセンセーションを巻き起こした。



アナログとデジタルの窓

 2008年9月10日、米国サンフランシスコから日本人にとっては耳慣れた言葉が、英語のニュースで届いた。「Tonchi Dot's Sekai Camera」として紹介された「セカイカメラ」は、iPhoneを使って空間に情報を配置する「ソーシャル・タグ」サービスである。iPhoneが現実世界(アナログ)と仮想世界(デジタル)を行き来する窓として機能する。

 セカイカメラが発表された「TechCrunch 50」では、ワールドワイドな拡張現実のプラットフォームである点、そしてタグ付け・閲覧のツールとしてiPhoneを採用していた点で大きな喝采を浴びた。しかし一方で、実装の方法については疑問の声も上がっていた。

 それから5ヵ月を経た2009年2月18日、ついにその懐疑的な要素を吹き飛ばすことになる。東京で開催されたファッションイベント「rooms」で、ソニーコンピュータサイエンス研究所が開発した位置情報サービス「PlaceEngine」とソフトバンクテレコムの協力を受けて、セカイカメラのワールドプレビューが実施された(セカイカメラ自体についてはこちらの記事が詳しい)。

セカイカメラ
「rooms」でプレビューされた、iPhoneで動作する「セカイカメラ」。ブースにエアタグが浮遊している
セカイカメラ セカイカメラ
エアタグをタップして詳細な情報を表示したところエアタグを自分で投函することもできる

 iPhoneの画面を通して会場内を見回すと、ブースにあるアイテムやブランドの説明といった「エアタグ」が浮かんでおり、それにタッチすると詳しい写真やテキストなどを読める。また、セカイカメラが映し出している風景を切り取ってその場所に残したり、テキストを書き込んで新たなエアタグとして浮かべることもできる。


世界をつなげるセカイカメラ

 このセカイカメラを開発しているのは「頓智・」というベンチャー企業。代表取締役社長の井口尊仁氏は、哲学科の学生だった当時にプログラミングと出会い、哲学とコンピューターサイエンスの思考のぶつかりを体験したそうだ。以来、人類のイノベーションとテクノロジーの関係性について深く考えるようになったという。

 セカイカメラは、現実世界に対するオルタナティブ(代替的)な考えやフィーリングを通じて生み出されたアイデアだった。


 人が見たままの情景やアイデアが、(その人の文化や経験の違いから)そのまま伝わることはなかなか難しい。しかし、その場所に残された情報を共有することによって、人間同士の思考を結びつけられるのではないかと考えます(井口氏)


 セカイカメラがより多様な情報を伝えることで、相互理解を促進する。その結果、究極的には世界平和にいたるのではないか。井口氏のセカイカメラに対する思いは非常に大きなものだ。

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