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山谷剛史の「中国IT小話」 ― 第42回

中国発独自光メディア技術が羽ばたかない理由

2009年04月07日 12時00分更新

文● 山谷剛史

中国発の大容量光ディスク規格「NVD」
のその後……

中国独自光ディスク規格は、みなEVDと同じ道を進むのか
中国独自光ディスク規格は、みなEVDと同じ道を進むのか

 少し前だが、日本語のサイト上で中国発の新しい光ディスク規格「NVD」がちょっとした話題となった。NVDとはDVDやCDと同様、赤色レーザーを使い、ディスク容量は12GB、フルHDでの再生を実現したものだそうだ。

 現在複数のメーカーからプレーヤーは出ているものの、それらはいずれも、「ど」がつくほどのマイナーメーカーだ。発表当初は具体的な専用ソフトの発表はなかったが、最近になってNVDのオフィシャルページ(http://chinanvd.wdwd.com/)が登場した。

 同ページでは中国映画や欧米映画を中心に22タイトルのNVDタイトルが確認できる。ソフトは1本30元(約450円)で販売している。

NVDについての情報を追記しました(2009年4月23日)

 多くの中国人は「高いガジェットを買うことが偉いことに直結する」と考える。例えば多くの中国人視点では、無条件にコンパクトデジカメよりもデジタル一眼レフカメラを持っている人のほうが「格が上」となる。

 とはいえ、NVDのような無名の規格には、持ってても見栄が張れるわけでもないので誰も買おうとは思わない。


「EVD2」が人民に与えた失望感

「新科(Shinco)」というメーカーのEVDプレーヤー
「新科(Shinco)」というメーカーのEVDプレーヤー

 NVDだけの話ではない。同じく中国発の新規格「EVD」(関連記事)のときから、人民離れの気配があった。

 発表当時は大々的に発表会を行ない、名のあるメーカーがプレーヤーメーカーに名乗りをあげ、会場では各社の開発中のプレーヤーを揃えたことから、日本でも「鵜呑みになった状態」で取り上げられた。

 EVD専用ソフトも発表後、しばらくは次々と発売されたが、販売した店舗はあまりに少なかった。

EVDのタイトル。日本の作品では手塚治虫の「ぼくの孫悟空」が発売されている
EVDのタイトル。日本の作品では手塚治虫の「ぼくの孫悟空」が発売されている

 海賊版コンテンツこそ利用すべきコンテンツだと意識する人民の心理から、売れなかったし、ひっそりと御祝儀同然の売られ方で売られていた。それでも「EVDが売られている」事実には変わりはないが。

 それでも細々と利用者の為にタイトルを投入していけばEVDはまだ受け入れられた。しかし開発側の利権争いの中、EVDと非互換でEVDよりもスペックが劣化した「EVD2」が登場し、中国発の新技術に僅かな希望を持っていた若い中国人に失望を与えた。

 さらには昨年末からは、その次の規格「EVD HD」なる規格の存在も明らかになっている。またも下位互換ではなく、EVDやEVD2を支持した一般消費者を切り捨てるのだろうか。

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