2009年04月23日更新
IT業界で働く桜子のビジネスリーダーズインタビュー
作り手の気持ちや世界を知らないといけない、と力説する堀氏はプロデューサーである。プロデューサーとは、いかに色んな視点を持ってトランスレート(翻訳)できるか、が資質として求められている役割ではないかと言う。そのためには作り手の感性を理解したければ、たとえば色んな映画や本、音楽などを通じ、知識のストックや体験の蓄積などにより、彼らの世界や文化を知っておく、ということが必要不可欠だという。
堀 まず、そこの共有がないと、話をしてくれないんですよ。だって、彼らはプロフェッショナルなわけだから。僕がいくらユーザー視点を主張しても、それ以外の物事を知らなかったら、君は何も知らないねと相手にしてくれなくなっちゃう。逆に言えば、それがあれば彼らの世界観を押さえながら言葉を選ぶから、意思疎通ができるようになるんです。
2つの異なるチームがぶつかり合うことで衝突もあったが、そのお陰で科学反応が生まれたときのように、今回は力作の作品が残った。
堀 映像の監督からは「アッサリしすぎている、もっとギミックをつけては?」という意見もあったんですが、映像だけでなくサイト全体を設計している身としては、サイト全体がユーザーに与えるエクスペリエンスはこうだ、と伝えて納得していただいた。本当にそれで伝わるかどうか? というのは疑心暗鬼だったんですけど、こうして結果が出ると、よかったなと思いますね。
では次にどのような仕事をしたいかとうかがうと「何でもやらせていただきます」と堀氏は謙虚に答えた。意外だ。もっと、いろんな主張があるかと思ったのだが……。
堀 しいて言えば、これからは「広告を作る」じゃなくて「広告で作る」という、広告から発信されるムーブメントや人とのつながりをつくる何かができればいいなと思いますね。もともと自分はIT絡みのことに興味を持っているので、パーソナルとソーシャルの両面が見られるインターネットはおもしろいんですよね。
広告代理店などのマスコミで仕掛け人と言えばとっつきにくい人がいるのも確かだが、堀氏とは3年前に知り合って以来、ずっと気さくにこんな私とも親しく付き合ってくれている。今回初めてプロデューサーの仕事を聞き、私は普段見ている顔と違うので少し驚いた。スタッフを率いてあれだけの仕事をするには怒鳴ることもあるはずだ。普段見ていない姿を想像して、改めて現場はいつも戦場だと感じたのである。
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1969年生まれ。大分県出身。(株)博報堂にて、インタラクティブ・プロモーションのプロデュースを数多く手がける。
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Interviewer&blogger 広告代理店・IT系企業を経て通信会社に勤務。5年前に「桜子の部屋・お友達の輪」というビジネスリーダーズインタビューを単独で開始。2007年シリコンバレーで活躍する日本人を取材に行く。日本人・外国人を含めた約50名ほどのインタビューを過去に実施(http://sakurako.cc/)