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遠藤諭の「0(ゼロ)グラム」へようこそ

ジャパネットたかたのテレビ論

2009年04月03日 10時00分更新

文● 遠藤諭/アスキー総合研究所

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高田社長

ジャパネットたかた 高田 明社長(右)とアスキー総研 遠藤

遠藤諭の「0(ゼロ)グラム」へようこそは、毎週火曜日、アスキー総合研究所のウェブサイトで更新されます

 東京MXテレビでやっている「Tokyo IT News」(東京ITニュース)の企画で、佐世保の「ジャパネットたかた」を訪ねた。完成したばかりの新社屋+大型スタジオでの生放送風景を見学して、高田 明社長へのインタビューをさせていただいた。企画の主旨は、パソコンやデジタル家電を全国に売りまくるジャパネットたかたの舞台裏、あの高田社長がデジタル機器に対してどんな意見をお持ちなのかを聞こうというものだ。


テレビ通販だけじゃない!?
ジャパネットたかたの真実

 詳しい内容は東京MXテレビで見ていただきたいが(毎週月曜日17時55分からの「TOKYO MX NEWS」内で放送されるが、なんと前週の金曜日にYouTubeで配信される)、個人的には、テレビやラジオ、ネット、紙をどう捉えているかという話が興味深かった。なにしろ、1年間に1万本も通販番組を流しているというジャパネットたかたである。これって、日本のテレビのあるパーセンテージを占めていますよね?

 同社の売上高は1350億円(『長崎新聞』2008年11月5日)。『日経MJ』の記事(2008年10月15日)によると、通販業界全体では1位の千趣会、2位のニッセンに続いて、ジャパネットたかたは3位になっている。そして、テレビ東京の売上げをショップチャンネルが抜いたという話があったが、そのショップチャンネルをジャパネットが抜いたという。

 しかし、なんといってもジャパネットたかたの場合、テレビやデジカメなど家電製品に近いところだけで商売しているところがすごい。しかも、芸能人やアナウンサーは使わず、高田 明社長という個性的なキャラクターが、ほとんど1人で売ってしまっているのだ(実際にはほかの社員MCやバックエンドも大切だが)。

 こういうイリュージョンこそテレビなんじゃないか……などと書こうとしたら、実は、そうでもないらしい。同じ『日経MJ』の記事には、「2007年度の売上げで、テレビ部門が前年比3%減の418億1700万円」で、「ネットの伸びがテレビの落ち込みをカバーし、全部門合計では増収を維持した」とある。ネットがどこまで伸びているのか? 高田社長にお聞きしたところ、次のような答えが返ってきた。

「2009年は、ネットの売上げがテレビを逆転するでしょう」

 これって、ちょっと意外に感じる人が多いのではないかと思う。わたしの周りでは、ヨドバシ・ドット・コムやアマゾンを使う人は多いが、「ジャパネットたかたのネット通販で買い物している人」というのは、あまりいないように見えるからだ。テレビを逆転する勢いなのだとすると、ジャパネットたかたのネットでの売上げは、年間では400億円程度まできている可能性がある。とういことは、家電・デジタル機器のECサイトの中では、トップクラスの売上げのはずだ。高田社長は「ネットでも、動画をすごくやっているんですよ」と語る。毎週月曜には、ネットライブでの販売もやっている。

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