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DCR-DVD505/DCR-SR100

DCR-DVD505/DCR-SR100

2006年03月22日 00時39分更新

文● 伊藤 裕也

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サイズと重量はほぼ同等

 まずはボディのサイズから見ていこう。どちらのモデルも大きさはほぼ同じと言っていいが、DCR-DVD505は幅が狭く高さがあり、DCR-SR100は幅があり高さがなく、手にした際の感覚は異なる。DCR-SR100はHDDを収納するユニットがグリップになっており片手でもしっかりとホールドできるので、手の小さい人にとっては嬉しいポイントであろう。これに対してDCR-DVD505では、DVDメディアを収納するユニットをグリップ部分にレイアウトしている都合上どうしても手にする部分が高くなる。グリップ部分は厚みもないため、ホールドのしやすさはDCR-SR100と比較すると今ひとつに感じられる。

 重量は一般的なカムコーダーの数値で、2機種の間で若干の違いはあるものの、手にした際に感じる重みはほぼ同じだ。片手で扱ってもすぐに腕が疲れてしまうようなことはないだろう。

DCR-DVD505 DCR-SR100
サイズ 幅66×奥行き147×高さ90mm 幅82×奥行き149×高さ69mm
撮影時の重量 約630g(NP-FP60使用) 約615g(NP-FP60使用)
DCR-DVD505 DCR-SR100
【DCR-DVD505】【DCR-SR100】
DCR-DVD505 DCR-SR100
【DCR-DVD505】【DCR-SR100】
女性スタッフがカムコーダーを手にしたところ。いずれのモデルも片手で楽に支えられる。


イメージセンサーによって異なる撮影機能
――クリアビッドCMOSで実現された新機能が面白い

 DCR-DVD505/DCR-SR100ともに搭載するレンズは光学10倍ズーム対応で、手ぶれ補正は電子式。この光学ズーム倍率や手ぶれ補正方式は普及モデルによくある一般的なもので、そこだけに注目すれば両者とも同じように思える。しかしながらDCR-DVD505では“クリアビッドCMOS”、DCR-SR100ではCCDと搭載するイメージセンサーが異なっており、撮影機能もそれによる影響を少なからず受けている。

 例えば、DCR-SR100ではシャッタースピードが1/4000秒までサポートされるのに対して、DCR-DVD505では1/500秒までのサポート。このためDCR-DVD505には動きの激しい映像をブレなく撮影するためのプログラムAEモード“スポーツレッスン”がない。そのため、動きの速い被写体をブレなく撮影したいならDCR-SR100のほうが向いている。その一方で、DCR-DVD505は最低被写体照度が6ルクスと高感度化を実現しており、薄暗い場所など普通のカムコーダーでは撮影が難しい撮影に対応できるようになっている。この高感度については後述の映像品質で詳しく触れることにしたい。

 DCR-DVD505固有の撮影機能としては、スタートボタンを押した時点から3秒間、滑らかなスロー映像で撮影する“なめらかスロー録画”、1回の映像撮影につき3枚の静止画を同時に撮影できる“デュアル記録”といったものがある。特にデュアル撮影は映像撮影中の“ある一瞬”を、動画とともにデジタルフォトでも残せるという点でなかなか面白い。カムコーダーにおける静止画の撮影機能は、一般的に映像の撮影とは排他動作であることが多く、実際に使用できる状況は限られているのだが、このデュアル記録ではそうした制約から開放される。今までにない新しい撮り方ができるわけだ。



フルオート撮影向けの設計で操作性はどちらも良好
――液晶ディスプレーの使いやすさ/美しさではDCR-DVD505が有利

 DCR-DVD505/DCR-SR100ともに、“撮影ボタンを押したらあとは被写体を追いかけるだけ”といった、オートでの撮影を前提として設計されている。マニュアルフォーカスや明るさの調整などはいずれもタッチパネルのメニューから行なうスタイルで、撮影している映像から明るすぎて白く飛んでしまうポイントを視覚化する“ゼブラ”、撮影している映像の明るさのバランスをグラフで視覚化する“ヒストグラム”といった撮影を支援する機能は搭載されていない。凝った撮影には不向きな入門機なのである。

DCR-DVD505 DCR-SR100
【DCR-DVD505】【DCR-SR100】
液晶ディスプレーは、DCR-DVD505が3.5インチワイドで画素数は21万1000画素の“クリアフォト液晶プラスパネル”、DCR-SR100では2.7インチワイドで12万3000画素の“ハイブリッド液晶パネル”
DCR-DVD505 DCR-DVD505
【DCR-DVD505】液晶パネルを正面から見た状態【DCR-DVD505】液晶パネルを斜めから見た状態
DCR-DVD505で採用されている、クリアフォト液晶プラス。21万1000画素と細部の描写は緻密で、コントラストについても黒が引き締まっており美しい。斜め横から見た状態でも色合いが変わるようなことはなく、カムコーダーの液晶ディスプレーとしては優秀である。

 映像の確認とタッチパネルの操作に大きな影響を与える液晶ディスプレーは、DCR-DVD505が3.5インチワイドで画素数は21万1000画素の“クリアフォト液晶プラスパネル”、DCR-SR100では2.7インチワイドで12万3000画素の“ハイブリッド液晶パネル”を採用。クリアフォト液晶プラスパネルは高解像度かつ高コントラストで、発色も鮮やか。いずれも詳細な数値等はメーカーから公表されていないが、従来の普及価格帯のカムコーダーと比較して、映像の細部までしっかりと確認できるようになっている。液晶ディスプレーの美しさではDCR-DVD505が一段上だ。また、DCR-DVD505では液晶ディスプレーのサイズが大きいため、メニューの操作もわずかながら行ないやすくなっている。

DCR-DVD505のメニュー画面 DCR-DVD505のメニュー画面
DCR-DVD505のメニュー画面。操作は液晶パネルを直接指で触れることにより行なう。これはソニーが現在販売するカムコーダーに共通する方式だカムコーダーということで映像ばかりに注目しがちだが、今回取り上げたカムコーダーはすべてのモデルが4chのマイクを搭載しており、5.1chによるドルビーサラウンドでのオーディオ記録をサポートしている。音声のモニターもこのとおり


最適な記録メディアは目的や映像の活用法によって異なる
――手軽さならDVD・長時間記録ならHDDで決まり!

 映像を記録するメディアは、DCR-DVD505が8cmのDVDメディア、DCR-SR100は内蔵式のHDDである。冒頭で触れたようにどちらもランダムアクセスメディアで、撮影した映像の確認や消去はすばやく実行可能だ。DVDとHDDの大きな違いは、“1回の撮影で記録できる時間”だ。8cmの DVDメディアは片面で1.4GB。DCR-DVD505、DCR-SR100の2モデルでは映像の記録モードとしてビットレートが約9Mbpsの“HQ”、約6MbpsのSP”、約3Mbpsの“LP”と3タイプを用意しているが、DCR-DVD505でDVDメディアに記録できる時間はHQではわずか20分。SPでも30分程度までだ。LPなら60分程度記録できるものの、720×480ドットの映像を3Mbpsというビットレートで記録するのはあまり現実的ではない。

 「DVDメディアには記録容量が倍の2.8GBある両面メディアもあるのだから、それを使えば記録できる時間も2倍になるでしょ?」と考える方もいるかもしれないが、両面メディアを使っても、片面に映像を記録し終えたら取り出してディスクを裏返す必要がある。メディア1枚に記録できる総時間は確かに増えるが、ディスクの反転で撮影を中断する必要があり、連続録画できる時間は両面も片面も変わらない。学芸会での演し物など、一連の長いシーンを撮影する場合には20分や30分ではやや心許ないのも事実だ。

 一方、DCR-SR100は、容量30GBの1.8インチHDDで、HQでも約7時間20分に及ぶ映像を記録可能だ。HDDの交換はできないが、日帰り旅行などであれば困ることはないだろう。撮影時間を案じないで済むという点では、DCR-SR100が有利である。

DCR-DVD505 DCR-SR100
メディア DVD-R/-RW/+RW(8cmメディア、1.4GB) HDD(30GB:交換不可)
記録時間 約20分(HQ)/約30分(SP)/約60分(LP)(片面メディアの場合) 約7時間(HQ)/約10時間50分(SP)/約20時間50分(LP)
【DCR-DVD505】DCR-DVD505における撮影した映像の確認画面。映像は早送り・巻き戻しなどのコントロールが可能で、もし確認した結果このシーンが不要であれば右上のゴミ箱アイコンをクリックすることによりその映像を消去できる。映像の確認から取捨選択まで、素早く実行できるようになっているのである。
【DCR-DVD505】DCR-DVD505における映像の再生(映像表示)モード。サムネイルをクリックすることによりその映像を表示できるという、わかりやすいユーザーインターフェイスのプレーヤとなっている。【DCR-SR100】こちらはDCR-SR100の再生モード。DCR-SR100では画面の上部にある日付という部分をクリックすることで、撮影した日付に合う映像のあるページに即座にジャンプできるようになっている。


いずれも予備のバッテリーパックが必要

 安心して撮影を続けるために忘れてはならないのが、バッテリーである。標準で付属するバッテリーパックはDCR-DVD505/DCR-SR100ともに「NP-FP60」で、長時間の連続使用には正直厳しい。ソニーによるとこのNP-FP60で使用できる時間は、DCR-DVD505では連続撮影で約90分(約1時間30分)、DCR-SR100では連続撮影で95分(1時間35分)だという。これは単純に映像を撮影し続けた場合の時間で、実際の撮影ではズームなどのさまざまな機能を使用することから、この時間の約半分程度になると覚悟しておくべきだ。試しにバッテリーをフル充電して普通にズームなどを織り交ぜて撮影してみたら、どちらも1時間程度でバッテリーが切れてしまったので、どちらの機種を選んだとしても予備のバッテリーは必要だろう。

DCR-DVD505 DCR-SR100
記録時間 約20分(HQ)/約30分(SP)/約60分(LP)(片面メディアの場合) 約7時間(HQ)/約10時間50分(SP)/約20時間50分(LP)
バッテリー持続時間 1時間35分(NP-FP60使用) 1時間45分(NP-FP60使用)

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