DCR-DVD505/DCR-SR100の特徴をおさらい
DCR-DVD505/DCR-SR100は、ともに一般の家庭で旅行やイベントなどの記録に使うことを強く意識して設計された普及価格帯のモデルだが、それぞれ、
- 一度の撮影により記録できる時間
- 映像品質
- 撮影した映像の扱いやすさ
――といった部分で大きな違いがある。カムコーダーの導入を検討する際には、それらの要素からどの部分を特に重視するのかをよく考えていただきたい。そうすれば、最適なカムコーダーはおのずと見つかるだろう。例えば、撮影した映像を即座にDVDプレーヤーで再生したいならDVDカムコーダー、一度の撮影で長時間記録したければHDDカムコーダーといった具合だ。
次ページ以降で撮影機能や操作性、映像品質などについて、DCR-DVD505とDCR-SR100でどのように異なっているのかその詳細について触れることにしたいが、その前にまずはDCR-DVD505とDCR-SR100の概要をご覧いただきたい。
DVDならではの手軽な操作感と映像品質を両立
DCR-DVD505
ハンディカムDCR-DVD505 |
記録メディアには8cmのDVDメディアを採用しており、撮影した映像はそのままDVDプレーヤなどにセットして再生することが可能だ。このような“手軽さ”が本モデル最大のポイントといえる |
DCR-DVD505は、8cmのDVDメディア(DVD-R/DVD-RW/DVD+RW)に、720×480ドットの映像と5.1chによるサラウンド音声をDVD-Video/DVD-VRフォーマットで記録できる、DVDカムコーダーの上位モデル。
イメージセンサーにソニーが“原色クリアビッドCMOSセンサー”と呼ぶ210万画素(静止画撮影時は最大400万画素相当)の1/3インチCMOSセンサーを搭載しており、これによって最低被写体照度が6ルクスという高感度、強い光をイメージセンサーで受けた場合に発生するスミアを軽減するスミアレス、フレーム内に明るい部分と暗い部分が混在する状況でも白とび・黒つぶれせずに映像を表現できるワイドダイナミックレンジを実現しているという。レンズのズーム倍率はカムコーダーの普及モデルでは一般的な光学10倍で、デジタルズームを用いることにより最大120倍まで対応可能だ。また、映像を確認する液晶ディスプレーには、3.5インチワイドで画素数が21.1万画素の“フォトクリア液晶プラス”を採用。これは表面に光沢感がある高コントラスト(仕様の詳細は非公開)の液晶パネルで、映像は確認しやすくメニューの操作も大画面なので扱いやすい。
映像の記録にDVDメディアを用いるため長時間の記録には不向きだが、映像品質を重視する人、そして扱いやすさを追求する人にはおすすめのモデルである。
前面 | 背面 | 天面 |
面白い機能としては、映像の撮影中に静止画像を同時に撮影できる“デュアル記録”がある。1回の映像撮影につき撮影できる静止画は3枚までだが、撮影している映像とまったく同じシーンを静止画として300万画素相当(※1)で記録可能だ。
※1 画角4:3での撮影の場合(撮影記録サイズは2016×1512ドット)。16:9の撮影では230万画素相当(2016×1134ドット)になる。最大20時間の撮影に対応するHDDカムコーダー
DCR-SR100
ハンディカムDCR-SR100 |
DCR-SR100は720×480ドットの映像と5.1chによるサラウンド音声を、30GBの1.8インチHDDにMPEG-2フォーマット(プログラムストリーム)で記録するHDDカムコーダー。光学ユニットは光学10倍のズームレンズと総画素数331万画素の1/3インチ原色CCDセンサーを組み合わせたごく一般的な構成のモデルだが、記録メディアにHDDを採用することで最大20時間50分(長時間モード使用時)という長時間撮影を実現している。これはビットレートが6Mbpsの標準モード“SP”では約10時間50分、映像品質がもっとも高いビットレート9Mbpsの記録モード“HQ”でも7時間10分程度の映像を撮影可能で、最も高画質なHQモードでも一度に記録できる時間にはかなりの余裕がある。このHDDは内蔵固定式でDVDやテープのように簡単にメディアを交換できないため、ディスクフルになったら(撮影済み映像を削除しない限り)撮影はできなくなるが、撮影に失敗したシーンなどはタッチパネルの操作で簡単に削除できるし、よほど長期にわたる旅行での使用でもないかぎり、記録時間を気にする必要はないだろう。
DCR-SR100の側面にはボタン一押しでHDDに記録した映像をDVD化できる「ワンタッチDVDボタン」を搭載。一般的にHDDカムコーダーで撮影した映像のDVD化には、ファイルをカムコーダーからPCにコピーし、DVDオーサリングを実行 ――と結構な手間を要するのだが、このカムコーダーではそれをまさに“ワンタッチ”で行なえる。 |
なお、映像は内蔵HDDに記録するため、撮影した映像を手元に残したい場合には、その映像をほかの機器に移動させる必要がある。これについてはパソコンとUSBで接続することによりリムーバブルメディアとして扱えるようになるほか、付属ソフト「ImageMixer for HDD Camcorder」と連携することにより、パソコンと接続するだけでDVD-Videoを作成することも可能だ。撮影・録画したメディアを即家庭用のAV機器に入れてすぐに映像を楽しめるDVDカムコーダーと比較するとさすがに作業量はあるが、記録メディアが異なる以上、これは仕方ないところだ。
DVDカムコーダーの扱いやすさに魅力は感じるものの、DVDの記録時間にはどうも不安があって――という人に向いたカムコーダーである。
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