インテル、900番台の新Pentium Dを発表と、初のモバイル向けデュアルコアCPU“Intel Core Duo”の仕様を公開!(改訂版)
2006年01月06日 18時35分更新
新世代のCentrinoモバイル・テクノロジプラットフォーム(コード名“Napa”)を構成する、ノートパソコン向けCPU“Intel Core Duoプロセッサ”“Intel Core Soloプロセッサ”と、“Intel 945GM/PM Express”チップセットの仕様も公表された。NapaプラットフォームはIntel Core Duo/SoloとIntel 945GM/PM Express、“Intel PRO/Wireless 3945ABG”無線LANモジュールの3種で構成される。
ノートパソコン向け設計としては初のデュアルコアCPUであるIntel Core Duoは、標準電圧版5製品と低電圧版2製品が用意される。標準電圧版には、シングルコアのIntel Core soloも含まれる。主な仕様は以下のとおり。
名称 | コア数 | 最大クロック | TDP | 電圧 |
---|---|---|---|---|
Intel Core Duo T2600 | 2 | 2.16GHz | 31W | 1.1625~1.30V |
Intel Core Duo T2500 | 2 | 2.00GHz | 31W | 1.1625~1.30V |
Intel Core Duo T2400 | 2 | 1.83GHz | 31W | 1.1625~1.30V |
Intel Core Duo T2300 | 2 | 1.66GHz | 31W | 1.1625~1.30V |
Intel Core Solo T1300 | 1 | 1.66GHz | 27W | 1.1625~1.30V |
Intel Core Duo L2400 | 2 | 1.66GHz | 15W | 1.0~1.2125V |
Intel Core Duo L2300 | 2 | 1.50GHz | 15W | 1.0~1.2125V |
ノートパソコン向けのIntel Core Duoプロセッサは、既存のPentium Mプロセッサーのアーキテクチャーを元に、デュアルコア化したCPUである。同社幹部による説明では、65nmプロセスで製造され、1チップに2つのCPUコアと2MBの共有2次キャッシュメモリーを備えている。システムバス(FSB)の動作周波数は667MHz。トランジスター数は1億5160万個。ノートパソコン向けCPUではあるが、インテルはIntel Core Duoをノートパソコンだけでなく、薄型省スペースで省電力のデスクトップパソコンなどにも訴求する方針である。
チップセットのIntel 945GM/PM Expressは、Intel Core Duo/Solo(通常電圧版、低電圧版)とCeleron Mプロセッサーに対応する新しいチップセットである。FSBは533/667MHzに対応し、メモリーはDDR2-667を最大4GBまで接続可能。Intel 945GMは250MHzで駆動する3Dグラフィックスコアも内蔵する。シリアルATAを2ポート、パラレルATAは1ポートサポートするほか、USB 2.0も8ポートまで搭載可能である。余談だが、NapaプラットフォームのコンポーネントでViivテクロノジに準拠した構成のパソコンを作ることは可能だが、ViivとCentrinoのロゴを同時に取得することはできないとのこと。基本的にバッテリーを搭載するパソコンはCentrino、となる模様だ。
インテルはNapaプラットフォームで、デュアルコア化による性能向上と、バッテリー持続時間の向上を両立したとしている。内蔵グラフィックスコア自体も性能向上を実現したため、3Dグラフィックスベンチマーク『3DMark05』では、既存のCentrinoモバイル・テクノロジベースのノートパソコンと比べて、2倍強の性能を発揮しているという。またデュアルコア化によるマルチタスク性能も、大きく向上している。
3Dグラフィックスレンダリングテスト『Cinebench』を使った、Intel Core Duoテスト機とSonomaでの比較。左のSonomaはまだ3分の1程度だが、右のIntel Core Duoは画面を2分割して計算を初め、すでに終わりかけている |
またNapaプラットフォームは、平均消費電力がSonomaと比べて約28%(4.2Wから3Wに)低減されたとのことで、Napaプラットフォームを採用するノートパソコンは、バッテリー駆動時間の延長が期待される。これは性能の向上以上に、日本のノートパソコンユーザーには嬉しい改善点かもしれない。インテルではNapaプラットフォームを採用するパソコンが、2006年中に230を超えるフォームファクターで登場するとの予測を立てている。