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ソースネクスト、低価格統合オフィスソフト『スタースイート 8』を発売――プレゼンテーションソフトのみ単体パッケージでも発売

2005年09月13日 20時51分更新

文● 編集部 内田泰仁

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記者会見で登壇したソースネクストの代表取締役社長の松田憲幸氏(写真左)と、サン・マイクロシステムズの取締役 マーケティング統括本部長の杉本博史氏(右)

ソースネクスト(株)は13日、統合オフィスソフトウェア『スタースイート 8』と、このうちのプレゼンテーションソフトウェアのみの単体パッケージ『超五感プレゼン ~スタースイート 8 Impress~』(以下、超五感プレゼン)を発表した。発売日と価格は、『スタースイート 8』が30日発売で3970円(限定5万本、限定本数終了後は5970円)、『超五感プレゼン』が12月9日発売で1980円。開発はいずれもサン・マイクロシステムズ(株)。



『スタースイート 8』のパッケージ

『スタースイート 8』は、ワープロ『Writer』、表計算『Calc』、プレゼンテーション『Impress』、データベース『Base』、図形描画『Draw』の5ソフトウェアからなる統合オフィスソフトウェアパッケージ。Microsoft Officeとのドキュメントの互換性の高さが特徴で、今回のバージョンではWord/Excel/PowerPointのドキュメントを閲覧するだけでなく、編集したのちに同形式で保存することが可能になった。特に、『Impress』では、プレゼンテーションに含まれるアニメーション/図形描画/音響や、PowerPointが持つ全スライドショー効果が再生でき、ユーザーインターフェースもPowerPointに近いものへと変更された。また、Microsoft Officeとの互換性向上のため、13書体の互換フォントを搭載する。

PowerPointで作成したプレゼンテーションをPowerPointで表示した場合(左)と『超五感プレゼン』(Impress)で表示した場合の比較。『超五感プレゼン』(Impress)の互換性は高く、デモンストレーションでは、スライドショー効果やアニメーションなどもほぼ完全に再現されていた

このほか、新しい特徴/機能は以下の通り。

  • データベースソフト『Base』を新たに追加(スタースイート独自のデータベースソフトで、Accessとの互換性は持たない)
  • パスワード付きのMicrosoft Officeドキュメントのインポートに対応
  • 『Calc』において、Excel同様に6万5536行のデータをサポート

なお、PDF保存、プレゼンテーションデータのFlash形式への変換、XML形式ファイルのサポート、クリップアート/テンプレート付属、などは従来の機能を引き続き搭載する。

対応OSは、Windows 98/98 SE/Me/2000 Professional(SP2以降)/XPまたはLinux(Kernel version 2.2.13以降、glibc version 2.2.0以降)。インストールに必要なHDD容量は500MB以上。

『超五感プレゼン ~スタースイート 8 Impress~』のパッケージ

『超五感プレゼン』は、ソースネクストとサン・マイクロシステムズの共同で企画/開発された製品で、『スタースイート 8』に含まれる製品が単体パッケージとして発売されるのは日本のみだという。機能的には『スタースイート 8』に含まれる『Impress』と同様で、本パッケージにも13書体の互換フォントが含まれる。

ソースネクストの松田憲幸氏

この日行なわれた記者会見で製品の概要を説明した代表取締役社長の松田憲幸氏によると、プレゼンテーションソフトはワープロ/表計算についで頻繁に利用されているものの、“Microsoft Office プレインストールモデル”として個人向け市場に出荷されているパソコンの人気上位100製品のうちPowerPointが含まれているものはないという。同社では、市場シェアの99.7%(2005年8月時点)を持つマイクロソフトに対して、高い互換性と1980円という価格(PowerPoint 2003は実売2万円強)で対抗し、2006年にはシェアトップを獲得したいとしている。

5万9850円のパソコンにOffice Personal Edition 2003(プレインストール)とPowerPoint 2003(単体パッケージ)を追加した場合と、同じパソコンにOffice Personal Edition 2003と『超五感プレゼン』を追加した場合の価格比較5万9850円のパソコンにOffice Personal Edition 2003とPowerPoint 2003を追加した場合と、同じパソコンに『スタースイート 8』を追加した場合の価格比較

同社は、2003年2月に“コモディティ化(Commodity:日用品化)”戦略を発表し、低価格パッケージ(1980円シリーズ)の増強、製品パッケージの小型化、書店などを含めた流通経路拡大といった取り組みを展開している。主力製品となっている1980円シリーズは現在300タイトルに達し、同戦略展開から約2年半が経過した2005年7月には総出荷本数が1000万本を突破したという。同社では今後2年間で1980円シリーズのラインナップを1000タイトルまで増強していく方針だとしている。

1995年以降のパソコン本体とOSの価格推移

松田氏によると、パソコン本体の急激な低価格化に対し、OSやソフトウェアの価格はこの10年間でほとんど変わっておらず、「パソコン購入時の金額に占めるソフトの比率が非常に高くなってきている」としている。また、処理速度や実現可能なことなどの面で携帯電話を上回るにもかかわらず、パソコンは「価格の面でその可能性を生かしきれていなかい」とも指摘しており、ソフトの入手しやすさが進展することで多くの人がパソコンの可能性や性能をより活用でき、購入層の拡大にもつながると述べ、“コモディティ化”戦略の一層の拡大を強調した。



サン・マイクロシステムズの杉本博史氏

また、この日の会見には開発元であるサン・マイクロシステムズの取締役 マーケティング統括本部長の杉本博史氏がゲストとして出席。杉本氏によると、日本市場は「世界で一番スタースイートが売れた国」だといい(前バージョンのソースネクストの販売本数は約30万本)、米サン・マイクロシステムズ社からもこの販売実績について高い評価を受けているという。また、「使いやすさ、互換性の高さなどは使ってみていただかなければご理解いただけない」として、低価格で日本市場にパッケージ販売が行なうソースネクストとの協業について「一緒にできて本当によかった」と述べ、幅広いユーザーへの普及拡大に期待感を示した。

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