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W31T

W31T

2005年07月19日 00時00分更新

文● 島 徹

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胸ポケットに入るPCサイトビューアー搭載機

 PCサイトビューアーは、パソコン向けに公開されているウェブサイトを閲覧できるアプリケーション(いわゆるフルブラウザー)で、東芝製の機種で搭載するのは初めて。“ダブル定額”などau携帯電話のパケット定額制オプションプランを契約していれば、PCサイトビューアーの利用においてもパケット通信料の定額が適用される(5985円以上の利用料において)。モバイルノートパソコンや大型のPDA、またPCサイトビューアーを初めて搭載した「W21CA」(2004年12月発売)は、本体のサイズが幅約51×奥行き(厚さ)約27×高さ約103mmでW31Tよりも7mm厚かったが、このような大きめの端末ではなく、胸ポケットにもすんなりと入る薄型の端末でさまざまな場所でパソコン向けのサイトを閲覧できるというのは、最大のウリといえるだろう。

厚みの比較 厚みの比較
PCサイトビューアーを初めて搭載したW21CA(いずれも向かって右)と厚みを比較。

 PCサイトビューアーとして搭載されるウェブブラウザーは、パソコン向けのブラウザーとしても名の知られたノルウェーのOpera Software社の「Opera」を採用する。CSSやcookie、SSL、JavaScriptを利用したサイトも、多くの場合、パソコンで閲覧する際のイメージで表示できる。また“スモールスクリーンモード”機能を搭載し、レイアウトが横長のウェブサイトも携帯電話の画面サイズに変換して表示されるので、シンプルな構成でできたテキスト中心のサイトを閲覧するには非常に便利だ。

“PCモード”で表示。パソコンでの閲覧とほぼ変わりないレイアウト 画面の表示設定はメニューから行えるほか、閲覧中に割り当てられたキーからも変更できる
“PCモード”で表示。パソコンでの閲覧とほぼ変わりないレイアウト画面の表示設定はメニューから行えるほか、閲覧中に割り当てられたキーからも変更できる

 パソコン向けサイトを閲覧できる携帯電話は(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモからも発売されているが、PCサイトビューアーの大きな特徴は、ページの一部を待ち受けアプリとして設定/表示し、1時間ごとといった周期で自動更新し表示できる機能があること。ニュースサイトや株式情報サイト、サイトの更新情報を取得するページなどを登録しておけば便利に使える。パケット通信料を気にしなくて済むよう、ぜひ定額制プランを契約して利用したい。

 操作に関しては、“進む”“戻る”の操作がメールキーとEZwebキーに、画面の表示設定はダイヤルキーに割り当てられており、メニューを開かずとも1ボタンで設定を変更できる。設定を変更しても、再度通信を行なったりしないので、高速に書き換えられる。

ページ読み込みや描画は全体的に速め

 実際の利用感としては、ページの読み込みやレイアウトなどの描画は「N901iS」(NTTドコモ)や「AH-K3001V」(ウィルコム)に搭載されているパソコン用サイト閲覧向けウェブブラウザーより、全体的に速い。特にデータの受信速度は、パソコンと接続したモバイルデータ通信で300kbps前後のデータ伝送速度が出る場所で実験したところ、PCサイトビューアーでも同等の速度で受信できた。しかし、画像などの読み込みファイル数が多いページを表示する際は、画像の展開処理に時間がかかるためか、同じ通信速度の環境で接続したパソコンよりも表示までの時間が長く感じられた。例えば読み込みファイル数が30を超えるページの場合では、パソコンと比べて倍近い時間がかかることもある。また、PCサイトビューアーは、ページ上のすべてのデータを読み込むまでレイアウト途中の不完全な状態でページを表示するため、サイトのスクロール操作が実質行なえない。PCサイトビューアーをよく利用するのならば、画像の表示はOFFにした方がいいだろう。

待ち受け画面にニュースサイトを登録し自動更新させれば、端末ごとに新しいニュースが手に入る フォントは滑らかなスケーラブルフォントと、小さい文字は見やすいビットマップフォントを採用する
待ち受け画面にニュースサイトを登録し自動更新させれば、端末ごとに新しいニュースが手に入るフォントは滑らかなスケーラブルフォントと、小さい文字は見やすいビットマップフォントを採用する

ハンズフリー通話やデータ通信が可能なBluetooth

Bluetooth対応機器と一緒に利用する場合は、事前の登録作業が必要
Bluetooth対応機器と一緒に利用する場合は、事前の登録作業が必要

 Bluetooth機能を利用する際は、最初にBluetooth対応機器とW31Tの双方で、同じ数字のパスキー(最大8桁)を登録しておく必要がある。初回利用時の機器の登録は、W31Tの“Bluetoothメニュー”の“Bluetooth設定”機能にある接続相手リストでBluetooth接続状態の対応機器を探索するればよい。また、W31Tの待ち受け画面で“#”キーを長押ししてBluetoothを接続状態にした上で、パソコンなどBluetooth対応機器のBluetoothメニューからW31Tを探索しても、登録可能だ。一度登録をしておけば、ヘッドセットやモバイルデータ通信に関しては待ち受け画面で「*」キーを長押しすることでBluetooth通信の待機状態になり、登録したBluetooth対応機器を認識して必要なときに接続して利用できるようになる。

 Bluetoothのオーソドックスな使い方として、ヘッドセットの利用がある。これは車の運転中など両手がふさがった状態で通話するときに便利。1000円前後から買える有線のイヤホンマイクと比べると価格は8000円前後と高いが、コードが邪魔にならないという代えがたい利点がある。



auのBluetooth端末に適合したヘッドセット「Plantronics M2500」と接続 着信時は端末とヘッドセットのうち、着信ボタンを押した端末で通話できる。EZwebキーで切り替えも可能だ
auのBluetooth端末に適合した日本プラントロニクス(株)のヘッドセット「Plantronics M2500」と接続着信時は端末とヘッドセットのうち、着信ボタンを押した端末で通話できる。EZwebキーで切り替えも可能だ

 Bluetoothでパソコンと接続してのモバイルデータ通信は、ケーブル接続時と同等の速度(下り最大2.4Mbps/上り最大144kbps)で行なえる。CDMA2000 1x EV-DO(CDMA 1X WINのデータ伝送方式)の通信速度は電波状況や基地局との距離によって大きく変動するが、テストを行なった場所ではケーブル接続時と同様に300kbps程度の速度が出た。狭い場所でモバイルデータ通信をする場合、ケーブルの付け外しが必要なく非常に便利だ。

Bluetoothはハンズフリー通話のほか、対応端末同士での情報交換にも利用可能Bluetoothはハンズフリー通話のほか、対応端末同士での情報交換にも利用可能

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