KDDI、夏商戦向け携帯電話は“オーディオビジュアル系”――テレビ視聴、フルブラウザーなど個性的な5機種!

2005年05月23日 22時47分更新

文● 編集部伊藤咲子

KDDI(株)と沖縄セルラー電話(株)は23日、“au”ブランドの携帯電話機の新機種として、第3世代携帯電話サービス“CDMA 1X WIN”対応の3機種と、同じく“CDMA 1X”(※1)対応の2機種を発表した。また同時に、地上アナログ放送の視聴など3つの新サービスを発表した。


夏商戦向けに5機種が登場

※1 CDMA 1X WINは、2003年10月に発表された第3世代携帯電話サービスで、データ伝送速度は下り最大2.4Mbps/上り最大144kbps(ベストエフォート型)。これを採用する機種の型番は、頭文字に“W”が付いている。CDMA 1X(旧サービス名称は“CDMA2000 1x”)は、2002年3月に発表された第3世代携帯電話サービスで、データ転送速度は下り最大144kbps/上り最大64kbps。これを採用する機種の型番は、頭文字に“A”が付いている

新機種のラインナップは以下のとおり。

CDMA 1X WIN対応: 三洋電機(株)製造の『W32SA』
カシオ計算機(株)製造の『W31CA』
(株)東芝製造の『W31T』
CDMA 1X対応: 東芝製造の『A5501T』
カシオ計算機製造の『A5512CA』

「AV系に強い携帯電話という地位を確立したい」


取締役執行役員常務 au事業本部長の両角寛文氏

記者発表会の冒頭で、auが2003年度(2003年4月～2004年3月)に続き、2004年度(2004年4月～2005年3月)でも純増シェアのトップになったことを、取締役執行役員常務 au事業本部長の両角寛文氏は改めて紹介。これは、(1)幅広い製品ラインナップ、(2)第3世代サービス向けの独自コンテンツ、(3)定額制に代表される料金プランを「(契約者が)総合的に判断した結果」(両角氏)と考えているという。

2005年度は、競合の(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは、携帯電話を決済や認証に利用する“おサイフケータイ”を販売/ARPU(※2)戦略の軸にしているが、両角氏によればKDDIはそれと“若干違う”路線をとり、「オーディオビジュアル系に強い携帯電話という地位を確立したい」とした。

※2 Average monthly Revenue Per Unit。1契約あたりの月間平均収入


5機種の中で最も多くのAV系の機能を備えているW32SAは、EZテレビに対応し番組の視聴が可能。FMラジオ放送受信機能も備えている。また、FMトランスミッターを内蔵し、“EZweb”からダウンロードした“EZ「着うたフル」”の楽曲などをAV機器で再生できる

新機種発売にあわせて導入されるAV系の新機能は、地上アナログ放送の視聴機能とEZwebの通信機能を組みあわせた“EZテレビ”、携帯電話のマイクに音楽を入力して曲名を検索する“聴かせて検索”の2つ。今回発表された5機種の中で、EZテレビに対応するのはW32SA/A5511Tの2機種で、聴かせて検索に対応するのはW32SA/W31T/A5511Tの3機種。5機種の中で最も多くのAV系の機能を備えているW32SAは、さらにFMラジオ放送受信機能を備え、また、FMトランスミッターを内蔵して、“EZweb”からダウンロードした“EZ「着うたフル」”の楽曲などをAV機器で再生できる。

“PCサイトビューアー”対応機種も2機種追加!

AV以外の新機能としては、家族などの居場所を自動的に知らせるGPS関連機能“安心ナビ”があり、W32SA/W31T/A5512CAの3機種が対応する。そのほか、パソコン用のウェブサイトが見られる“PCサイトビューアー”機能には、W31CA/W31Tの2機種が対応する。また、5機種共通の特徴としては、100万画素以上(有効128万～320万画素)のデジタルカメラ機能を備えるほか、メールに添付できるファイルサイズが280KBから500KBに増やされ、KDDIによれば内蔵カメラで撮影したSXGAサイズ(1280×960ドット)の写真もリサイズすることなしに送信できるという。


新製品の5機種は、それぞれ採用した機能が異なる。個性のあるラインナップでユーザー1人1人のライフスタイルに合わせた幅広い選択肢を提供するという