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アドビ システムズ、“Adobe Acrobat 7.0シリーズ”の発表会を開催――「高いセキュアーとライフサイクルの管理が重要」

2004年12月01日 17時31分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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アドビ システムズ(株)は1日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにプレス関係者を集め、PDFファイル作成・管理ソフトの最新版“Adobe Acrobat 7.0シリーズ”の製品発表会を開催した。なお、各製品の詳細はこちらの記事を参照いただきたい。

シャンタヌ・ナラヤン氏 石井 幹氏
米アドビ システムズの製品マーケティングおよび開発担当上級副社長のシャンタヌ・ナラヤン氏アドビ システムズ日本法人の代表取締役社長の石井 幹氏

発表会には、アドビ システムズ(株)の代表取締役社長の石井 幹(いしいみき)氏、米アドビ システムズ(Adobe Systems)社の製品マーケティングおよび開発担当上級副社長のシャンタヌ・ナラヤン(Shantanu Narayen)氏らが出席し、アドビのPDF/Acrobatシリーズにかける意気込みやバージョンアップの背景、同社が提唱するPDFファイルを中心とした電子文書管理ソリューション“インテリジェントドキュメントプラットフォーム”の日本での導入実績などを紹介し、合わせてAcrobat 7.0の新機能を説明するデモンストレーションが行なわれた。

アドビが掲げる“インテリジェントドキュメントプラットフォーム”戦略
アドビが掲げる“インテリジェントドキュメントプラットフォーム”戦略

最初にナラヤン氏が、「アドビは20年以上にわたって、人々と企業のコミュニケーションをより豊かにすることを企業のミッションとして活動してきた。媒体は紙からウェブへと代わってきたが、そのポリシーは変わらない」と挨拶。続けて、電子文書の標準フォーマットとなっているPDFファイルの有効性について、「(インターネットの普及で)世界の顧客を相手に、迅速なやり取りが可能になった。文書を電子化することで、TCO(管理費用を含むトータルコスト)を削減できるが、さらに情報の機密性を高めることも重要視されている。このためにPDFは重要な役割を果たす。また、文書に評価・添削(レビュー)を加えてやり取りするプロセスは、まだマニュアル(紙ベース)で行なわれているケースが多い。バックエンド(文書作成や管理の部分・段階)はデジタル化されているにもかかわらず、だ。アドビが提唱する“インテリジェントドキュメントプラットフォーム”には3つの重要な要素がある。ひとつは、バックエンド(エンタープライズ製品群)/ブラウザー(Adobe Reader)/ドキュメントサービスをトータルで提供していること。さらに、XMLデータを埋め込むことにより、ビジネスプロセスをドキュメントに即時反映できること。最後に、ドキュメントのライフサイクルを管理できることだ」と、PDFファイルを使った電子文書ソリューションの優位性をアピールした。

業種ごとに求められる文書へのニーズに応えて、PDFファイルで一本化できると説明
業種ごとに求められる文書へのニーズに応えて、PDFファイルで一本化できると説明
Adobe Readerは、携帯電話やカーナビゲーションシステムなど、パソコン以外のハードウェアにも導入が進んでいるという
Adobe Readerは、携帯電話やカーナビゲーションシステムなど、パソコン以外のハードウェアにも導入が進んでいるという

続いて石井氏が登壇し、「電子ドキュメントに関する規制や利用状況が変わりつつある」と切り出して、来年4月に施行される予定のいわゆる“電子文書法(e-文書法)”により、PDFファイルの需要がさらに増える見込みを述べた。さらに、すでにPDFファイルを導入した実績として、

政府
電子署名やタイムスタンプによる認証システムを用いて官報を発行・配信
埼玉県
住民からの申請業務にPDFとAdobe Readerを活用
同様の事案で広島県/岡山県/青森県・八戸市などが導入
住友商事(株)
社内の“eオフィスプロジェクト”として、全社員にAcrobatを配布
本田技研工業(株)(ホンダ)
社内の稟議システムに活用

などを紹介した。

今回行なったデモの概要を紹介 LiveCycle Policy Serverによるアクセス権の管理
今回行なったデモの概要を紹介LiveCycle Policy Serverによるアクセス権の管理
Adobe Reader 7.0でレビューを行なった結果をメールで送信し、最終的にプロジェクトに関わる全員からの意見を集約 Adobe Acrobat 7.0シリーズで新たに追加されたPDFキャビネットの画面
Adobe Reader 7.0でレビューを行なった結果をメールで送信し、最終的にプロジェクトに関わる全員からの意見を集約Adobe Acrobat 7.0シリーズで新たに追加されたPDFキャビネットの画面
デモンストレーションの流れ

最後に、アドビ システムズ日本法人のマーケティング本部インテリジェントドキュメント部部長の市川 孝氏と、米アドビ システムズのインテリジェントドキュメントBU シニアプロダクトマーケティングマネージャーの山本晶子氏が、“社外のデザイナーを含むプロジェクトで、PDFファイルを使ってデザインコンセプトのレビューを行なう”場面を想定したAdobe Acrobat 7.0のデモンストレーションを行なった。

デモのポイントは、

  • Outlookのメールの中から、今回のプロジェクトに必要な文書を選択し、1つのPDFファイルにまとめて関係者に送信できる(メールは個別に閲覧でき、メールの添付ファイルも同梱される)
  • やり取りの間に、万一PDFファイルが外部に漏れても閲覧されないように、ポリシー管理ソリューション“Adobe LiveCycle Policy Server”を使って、閲覧/レビューが可能なユーザーや期間をあらかじめ設定
  • 新規追加されたレビュー用ツール(描画マークアップや注釈パネル)を用いて、Adobe Acrobat 7.0でレビューしたPDFファイルを返信
  • Adobe LiveCycle Policy Serverの設定を変更して、古いデザイン画を含むPDFファイルの閲覧権限を失効させ、現場の混乱を避ける
  • 電子署名やタイムスタンプサーバーを利用して、完成したコンセプト案を認証し、社内向けの公式文書として上司に提出

などで、Adobe Acrobat 7.0シリーズ(特にAdobe Acrobat 7.0 Professional)の新機能や特徴を具体的に示した。

今回の発表会に出席したナラヤン氏らアドビ関係者の面々
今回の発表会に出席した、ナラヤン氏(中央左)と石井氏(中央右)、およびデモンストレーションを行なった市川氏(左端)と山本氏(右端)

なお、デモの合間に山本氏から、「Adobe LiveCycle Policy Serverは、日本では来年春頃に発売予定」という発言があった。

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