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アドビ システムズ、2004年度決算と2005年度の事業方針説明会を開催――純利益69%増を実現した理由とは!?

2005年02月17日 22時43分更新

文● 千葉英寿

代表取締役社長の石井 幹氏
代表取締役社長の石井 幹氏

アドビ システムズ(株)は17日、東京・丸の内の東京會舘に報道関係者を集めて事業方針説明会を開き、米アドビ システムズ(Adobe Systems)社のワールドワイドでの2004年度業績報告と、2005年度の経営方針や製品戦略の詳細を説明した。米アドビ システムズは昨年末、2004年度の決算が創立以来最高となる売上を達成したことをすでに発表しており(英文リリース)、日本法人の代表取締役社長の石井 幹氏がこれを受けた形での報告を行なうとともに、2005年度の売上目標を18億5000万~19億ドル(約1961億~2014億円)とすると語った。

説明会では、まず石井氏が2004年度の決算の詳細について報告した。2004年度の第4四半期の売上高が同社の創立以来最高の4億2950万ドル(約455億円)となり、前年同期(2003年度第4四半期)の3億5860万ドル(約380億円)から20%の大幅増を記録したと説明。また、2004年通期(会計年度)では、売上高が16億6700万ドル(約1767億円)とこちらも創立以来最高となり、前年実績(12億9500万ドル、約1373億円)と比較して29%の大幅な伸びを記録した。



2004年第4四半期決算

2004年Q42003年Q4対前年同期比
売上高4億2950万ドル
(約455億円)
3億5860万ドル
(約380億円)
20%増
営業利益(※1)1億4640万ドル
(約155億円)
1億1530万ドル
(約122億円)
27%増
純利益1億1350万ドル
(約120億円)
8330万ドル
(約88億円)
36%増
※1 GAAP(米国財務会計基準)に基づく値

2004年度決算

2004年2003年対前年比
売上高16億6700万ドル
(約1767億円)
12億9500万ドル
(約1373億円)
29%増
営業利益(※2)5億9180万ドル
(約627億円)
3億7950万ドル
(約402億円)
56%増
純利益4億5040万ドル
(約464億円)
2億6630万ドル
(約282億円)
69%増
※2 GAAP(米国財務会計基準)に基づく値

好調な業績の理由について石井氏は、「創立以来最高の売上となったこと以上に純利益が前年と比較して7割近くも伸びました。昨年初頭に投入した『Adobe Creative Suite』の好調により、“クリエイティブ・プロ部門”が当初の予想を上回って(売上を)伸ばすことができました。また、Acrobatファミリー製品が顧客層の拡大につながり、“インテリジェントドキュメント部門”も堅調な伸びを示しました」と説明した。

アドビ システムズ全体での売上高の推移
アドビ システムズ全体での売上高の推移。2002年のIT業界の低迷からはアドビも逃れることができなかったが、2004年で大きく巻き返した。グラフの比率は事業部別となっており、上からCP=クリエイティブ・プロ、DI/DV=デジタルイメージング/デジタルビデオ、ID=インテリジェントドキュメント、OEMとなっている

さらに石井氏は地域別の売上比率についても言及し、「アメリカが48%、ヨーロッパ・中東が31%、アジアが21%となっており、そのうちアジアについては日本の売上が大半を占めています」と、具体的な数字は伏せながらも詳細を示した。また、販売形態別の売上比率について、「1999年度に7割を占めていたパッケージ製品は売上が減少し、5割を切っています。これに代わって、力を入れているライセンス製品が10%から30%超となっています。ライセンス製品は(流通や在庫管理などの)コストがかからないことで、利益率を上げています」と説明した。また、研究開発に対する投資は通常、売上の2割程度を充てているとも語った。

地域別の売上比率 販売形態別の売上比率
地域別の売上比率販売形態別の売上比率
売上に占める研究開発費の比率。2004年度は18.7%に比率が下がっているが、これは研究開発費以上に売上が伸びたため
売上に占める研究開発費の比率。2004年度は18.7%に比率が下がっているが、これは研究開発費以上に売上が伸びたため

最後に石井氏は“更なる成長を目標”として、2005年度における売上目標を「18億5000万~19億万ドル(約1961億~2014億円)」と述べて、「20億ドル(約2120億円)が目の前にある」と目標を掲げた。また、2005年度第1四半期の売上目標を4億5000万~4億7000万ドル(約477億~498億円)としており、石井氏は「強含み(つよぶくみ)で推移している」と語った。


引き続き、後半はマーケティング本部長の沢 昭彦氏が事業部別の2004年度実績の詳細と2005年度の戦略について説明した。

マーケティング本部長の沢 昭彦氏
マーケティング本部長の沢 昭彦氏

“クリエイティブ・プロフェッショナル部門”では前出の通り、年初に市場投入した『Adobe Creative Suite』が、『Adobe InDesign』(DTPソフト)、『Adobe Photoshop』(フォトレタッチ&イメージ作成ソフト)、『Adobe Illustrator』(ベクターデザインソフト)、『Adobe Acrobat Professional』(電子文書ファイル作成・管理ソフト)という個々のプロ向け製品のコネクティビティー(連携性・接続性)を向上させたことにより、諸所の問題を解決してビジネスメリットを生んだとした。これを裏付けるものとして、(株)トリムがAdobe Creative Suiteを導入した経営効果を試算し、制作時間を50%、制作コストを40%削減するという成果があがっていると具体的な事例を示した。

“デジタルイメージング/デジタルビデオ部門”のうち、デジタルイメージング分野ではAdobe Photoshopがプロの写真家や画像処理のプロを中心に導入が進むとともに、ホビイスト(趣味人)市場で一眼レフタイプのデジタルカメラの躍進によってマーケットが拡大している好調ぶりをアピールした。一方、デジタルビデオの分野では、『Adobe After Effects』(デジタル動画加工ソフト)、『Adobe Premiere Pro』(デジタルビデオ編集ソフト)に加え、『Adobe Encore DVD』(DVDオーサリングソフト)、『Adobe Audition』(デジタルオーディオ編集ソフト)という4製品を組み合わせたソリューションを展開し、Adobe After Effectsを中心に“スタジオジブリ”や(株)円谷プロダクション(円谷プロ)など、商業アニメーションの世界で受けれられていると、実績をアピールした。

商業映画の世界では、HD編集に対応した米アップルコンピュータ(Apple Computer)社の『Final Cut Pro HD』の導入が急速に進んでおり、数多くの事例(公開映画)も出てきているが、Adobe Premiere Proの導入事例については、米国のインディペンデント(自主制作)作品の紹介に留まっている。この点について沢氏に質問したところ、「これからです」とのみ返答が得られた。

“インテリジェントドキュメント部門”は、デスクトップ製品として昨年末発表され、1月21日に販売を開始した『Adobe Acrobat 7.0』と、サーバー製品の『Adobe LiveCycle』で構成される。Adobe Acrobatの導入事例は官公庁や企業にすでに数多くあり、今後は“e-文書法”(企業が保存すべき書類について、紙でなく電子化しての保存を認める法律。今年4月に施行予定)に活用できるソリューションをさらに提案していく、と意気込みを語った。Adobe LiveCycleについては、複数のサーバー製品群を組み合わせたソリューションで提供していく、という。サーバー製品の導入事例には、経済産業省や埼玉県庁、広島県庁、八戸市などが挙げられ、これらは住民の電子申請を実現するソリューションとして「世界的に見ても先進的な“G to C(Goverment to Citizen、行政から市民へ)」のモデルを構築している、と語った。銀行や生保/損保など保険業界からも高い反響を得ており、今後はビジネスプロセスを進めるソリューションを提案していく。また、企業からのセキュリティーニーズに対応した『Adobe LiveCycle Policy Server』(PDFファイルを期限付きやユーザー別の閲覧権限付きで配布・管理するシステム)による、PDFを使ったドキュメント管理ソリューションの導入を積極的に進めたい、と今後の展望を示した。

説明会の締めくくりに再び石井氏が登壇し、アドビ システムズのミッションは“人々と企業のコミュニケーションをより豊かに”することであり、これは「入社以来変わっていないと思います」と熱っぽく語った。さらに、「プラットフォームとして“基盤”を提供し、ビジネスの下支えをすることです」とまとめた。

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