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VAIO type X VGX-X90P

VAIO type X VGX-X90P

2004年12月14日 00時00分更新

文● 編集部・小西利明

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DVD記録はVAIOの手軽さを継承

 録画されたビデオでX3ビデオサーバー側のHDDが一杯になると、古いビデオから自動的に削除される。X3ビデオサーバーは自分自身のHDDにしか録画できないので、パソコン側のHDDがいくら余っていても、X3ビデオサーバー側が満杯になれば自動削除が行なわれる。自動削除を無効にすることも可能だが、それでは追加の録画が不能になる。保存が必要なビデオは、パソコン側に転送して保存することになる。転送の指定はビデオを選んで“転送”を選択するだけだ。転送されたビデオは、パソコン側で録画したビデオと同じように扱われる。ビデオ編集やDVDへの記録も、パソコン側に転送してから行なう。(そんな必要はないと思うが)一度転送したビデオをX3ビデオサーバー書き戻すことはできない。

X3ビデオサーバー側のHDD容量が一杯になると、古いビデオには削除予定を示すごみ箱マークが付く。保存したいビデオなら、自動削除前に保存すること X3ビデオサーバーからの転送は、まず各ビューでビデオが選択された状態で“転送”を選ぶ
X3ビデオサーバー側のHDD容量が一杯になると、古いビデオには削除予定を示すごみ箱マークが付く。削除したくないビデオなら、自動削除前にパソコン側に移動すること。X3ビデオサーバーからの転送は、まず各ビューでビデオが選択された状態で“転送”を選ぶ。
転送を確認するダイアログ 転送は即座に行なわれるわけではなく、X3ビデオサーバーの負荷に応じて徐々に行なわれる。ネットワーク経由での転送になるので、多少時間もかかる
転送を確認するダイアログ。転送は即座に行なわれるわけではなく、X3ビデオサーバーの負荷に応じて徐々に行なわれる。ネットワーク経由での転送になるので、多少時間もかかる。

 録画したビデオをDVDに記録するには、いくつかの方法が用意されている。一番簡単なのは付属ソフト「Click to DVD」の機能を使ったDVD作成だ。Do VAIOでDVDに記録したいビデオを選び、メニューから“DVDへ書き込む”を選ぶだけで準備が完了する。記録メディアの容量が許す限り、複数のビデオを1枚のメディアに記録することも可能だ。これらの操作はすべてリモコンだけでできる。作成されたDVDには簡単なメニューもつくので、特に編集の必要がない場合はこれで十分だろう。光学ドライブは2層式DVD+Rにも対応しているので、1枚のメディアにビットレート2.5Mbpsのビデオで8時間程度の記録が可能だ。また、選択したビデオの合計サイズがDVDメディアの容量をオーバーする場合は、後述するTMPGEncを使って適切な容量に収まるように自動で再変換を行なう機能もある。

DVDへの一番簡単な書き込みは、Do VAIO上で録画されたビデオを選択して表示されるメニューから“DVDへ書き込む”を選ぶと開始される ビデオを選択した状態のダイアログ。ここから追加で記録したいビデオを選ぶことも可能だ
DVDへの一番簡単な書き込みは、Do VAIO上で録画されたビデオを選択して表示されるメニューから“DVDへ書き込む”を選ぶと開始される。ビデオを選択した状態のダイアログ。ここから追加で記録したいビデオを選ぶことも可能だ。
X3ビデオサーバーから転送した2つのビデオを選択してみた。ここまでの操作はすべてリモコンだけ 作成されたDVDのメニュー画面。EPGの番組情報がDVDに引き継がれているのが分かる
X3ビデオサーバーから転送した2つのビデオを選択してみた。ここまでの操作はすべてリモコンだけ。作成されたDVDのメニュー画面。EPGの番組情報がDVDに引き継がれているのが分かる。

 CMカットなどの編集が必要な場合は、付属のMPEG-2再圧縮ソフト「TMPGEnc 3.0 XPress for VAIO」(TMPGEnc)を使うのが手軽だろう。付属のTMPGEncには、Do VAIOの録画ビデオを取り込む機能がついていて、TMPGEnc側で簡単にファイルを取り込める。ビデオ編集はGOP単位だが、CMカットや複数のビデオを1本につなげる程度は簡単にこなせる。エフェクトを加えた、より手の込んだビデオ編集をしたい場合は、やはり付属の「Adobe Premiere Standard」の出番となるだろう。簡単DVD作成から本格的ビデオ編集まで、type Xなら付属ソフトですべてをこなせるわけだ。

type X付属の「TMPGEnc 3.0 XPress for VAIO」には、Do VAIOからビデオ取り込み機能が加わっている
type X付属の「TMPGEnc 3.0 XPress for VAIO」には、Do VAIOからビデオ取り込み機能が加わっている。

X3ビデオサーバーの設定はブラウザーベース

 X3ビデオサーバーの録画時間帯設定はDo VAIOから行なうが、それ以外の設定、例えばX3ビデオサーバー側のネットワーク設定やファームウェアのアップデートなどは、“X3ビデオサーバー設定”という別の設定ソフトを介して、Internet Explorer上で行なう。X3ビデオサーバーには、ネットワーク上のほかのパソコンに映像を配信する“VAIO Mediaサーバ”の機能が備わっている。この機能を使うための設定(クライアント機器の登録)もここから行なう。またtype Xから電源コードを外す場合には、このソフトからX3ビデオサーバーの電源をオフにしておく必要もある。しかし、パソコン側とX3ビデオサーバーの接続設定には、“type Xネットワーク設定”という別のソフトを使う必要がある。このインターフェースの不統一は、ぜひ改善してもらいたい点だ。

X3ビデオサーバーの設定は、“X3ビデオサーバー設定”から設定する側を選んで、ウェブブラウザーから行なう 実際の設定画面の1つ“IPアドレス設定”。ただし手動で2台分を設定するのは面倒なので、ルーターのDHCP機能に任せるのが無難だ
X3ビデオサーバーの設定は、“X3ビデオサーバー設定”から設定する側を選んで、ウェブブラウザーから行なう。実際の設定画面のひとつ“IPアドレス設定”。ただし手動で2台分を設定するのは面倒なので、ルーターのDHCP機能に任せるのが無難だ。
ウェブブラウザーの設定画面から、実際にX3ビデオサーバーの電源をオフにしている様子。X3ビデオサーバーの動作を止めるにはこの方法しか用意されていない X3ビデオサーバーとパソコン側の接続設定を行なう“type Xネットワーク設定”。ルーターを使っていれば、基本的には使う必要がない
ウェブブラウザーの設定画面から、実際にX3ビデオサーバーの電源をオフにしている様子。X3ビデオサーバーの動作を止めるにはこの方法しか用意されていない。X3ビデオサーバーとパソコン側の接続設定を行なう“type Xネットワーク設定”。ルーターを使っていれば、基本的には使う必要がない。

 ちなみにX3ビデオサーバーがEPG情報を利用するには、X3ビデオサーバーがインターネットに接続できる状態にある必要がある。一般的な家庭でのインターネット接続環境は、DHCPサーバー機能を持つブロードバンドルーターを利用したものだろう。その場合はブロードバンドルーターとtype XをEthernetケーブルで接続するだけで、パソコン側とX3ビデオサーバーそれぞれに個別のIPアドレスが割り当てられて、問題なくX3ビデオサーバーはインターネットに接続できる。しかし個々のマシンに手動でIPアドレスを割り当てていたり、ブロードバンドルーターを介さずに直接パソコンをインターネットにつなげているような環境では、手動でX3ビデオサーバー側のIPアドレスを設定する必要が生じて、かなり面倒な設定が必要になる。type Xを使う際には、ブロードバンドルーター経由でのインターネット接続を強くお勧めする。あるいはWindows XPが動作している他のパソコンがあるなら、そのパソコンにネットワークカードを追加して、Windows XPのインターネット接続共有機能を利用する方法も手軽でいいだろう(type Xの評価とは離れるので詳しい解説は、ここでは割愛する)。

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