このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

富士フイルム、“xD-Picture Card”対応デジタルカメラ3機種を発表

2002年08月01日 22時43分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

発表会では富士写真フイルム執行役員で電子映像事業部事業部長加藤典彦氏が、デジタルカメラの市況などについて説明した。

電子映像事業部事業部長加藤典彦氏
電子映像事業部事業部長加藤典彦氏

加藤氏はカメラ映像機器工業会(旧:日本写真機工業会)による2002年前期のデータを紹介し、国内出荷は270万台(前年同期比131%)、ワールドワイドでは910万台(同154%)と好調であるとした。2002年通期では国内610万台、ワールドワイドでは1900万台に達しそうだとしている。また、xD-Picture Cardの採用について「ユーザーからの、デジカメをもっと小さくしてほしい、もっと大容量を使いたいなどという要望に応えたもの。オリンパス光学工業(株)と共同開発し、(株)東芝に製造委託している。ほかのデジタルカメラメーカーやプリンターメーカーにも広く呼びかけ、普及促進に力を入れていきたい。また、従来のスマートメディアも引き続きしっかりサポートしていく」と述べた。

xD-Picture Card採用の決め手はコスト

電子映像事業部営業部長の青木良和氏電子映像事業部営業部長の青木良和氏

加藤氏に続いて電子映像事業部営業部長の青木良和氏が、xD-Picture Cardに関してさらに詳しい説明を行なった。それによると「これからデジタルカメラの小型化を考えたとき、スマートメディアではカメラ側のアダプターとして大きな部品が必要だった。また動画記録を考えたとき、(スマートメディアの限界と言われる)128MBでは小さい。xD-Picture Cardは2001年夏以前から共同で研究開発していたもので、小型であるだけでなく8GBまでスケールアップが可能となっている」としている。

xD-Picture Cardは2002年度中に256MB製品を発売
xD-Picture Cardは2002年度中に256MB製品を発売し、時期は未定だが8GBまでの大容量化を予定しているという

メモリースティックDuoやSDメモリーカードなどという選択肢はなかったのかという質問も出たが、「スマートメディアはコストが安くでき、また読み書きが速いというメリットがあった。読み書きが速いという特徴を継承しつつ、コスト的に一番安いものを選んだ」(青木氏)としている。小型で読み書きが速いということであれば、SDメモリーカードの特徴とも一致するが、SDメモリーカードはコントローラーチップをカードに内蔵しているため、コントローラーチップを持たないスマートメディアよりは割高となっている。xD-Picture Cardもコントローラーチップを持たず、スマートメディアとほぼ同様の電気的構造となっており、コスト的に有利と言える。

xD-Picture Cardとほかのメディアとの比較
xD-Picture Cardとほかのメディアとの比較。スマートメディアとxD-Picture Cardの上にあるのはそれぞれのスロット。かなり小型化されたことが分かる

xD-Picture Cardの価格については、富士写真フイルムから発売する製品でもオープンとなっているが、「当社から出すものについてはスマートメディアと同等の価格で販売できると考えている。スマートメディアの実売価格は128MBで8~9000円。xD-Picture Cardは基本的にスマートメディアと同じようなコスト構造で製造できる商品であり、それを目指したい」(青木氏)と述べており、スマートメディアと同等の価格になりそうだ。

USBタイプのカードリーダー『DPC-R1』(左)とPCカードアダプター『DPC-AD』(右)
USBタイプのカードリーダー『DPC-R1』(左)とPCカードアダプター『DPC-AD』(右)。xD-Picture Cardとスマートメディアの両方の読み書きに対応している

なお、今後スマートメディア対応カメラの予定については「移行期には両方のメディアの機種が出ることもあるが、最終的にはxD-Picture Cardに統一していく」として明言を避けた。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン