量販店での店頭価格は18万円強といったところで,他社の競合製品と比較しても1~2万ほどのアドバンテージがある。特徴のある付加機能はないものの,搭載ソフトとスペック,そして価格がバランスよく組み合わさっている。ゲームメイン以外のユーザーなら,古い機種からの買い換えはもちろん,ファーストマシンを手ごろな価格で手に入れたい人にはお勧めできる。
なお,先日FMV-BIBLOシリーズの新モデルが発表された。NBシリーズの変更点は,システムバス133MHzのMobile Pentium III-1.13GHzにCPUがアップし,1400×1050ドット液晶(SVGA+)を搭載した最上位モデル「NB9/1130H」の登場と,Mobile Celeron-900MHzを搭載した最下位モデルが登場したことである。今後,高解像度高輝度モデルについては,パネルの供給が潤沢になればラインアップを拡大していく方針だ。この中で,NB9/900Lの後継モデルとなるのは,本文中でも紹介した従来モデルのNB8/1000Lということになるが,HDD容量とCPUクロック以外の仕様は共通なので,本記事をそのまま参考にしても問題はない。
Column ――開発者インタビュー
FMV-BIBLO開発担当者に聞く!
富士通
モバイルPC事業部
第一技術部 プロジェクト課長
長谷川 敦氏
――貴社のノートPCの強みとは何ですか?
設計から製造まで,すべて国内で行なっていることです。我々がマザーボードもBIOSも自社で開発しているのに対し,他社はこれらのパーツを台湾メーカーから購入しています。実際のところ,台湾メーカーは情報も早く,豊富なOEM先を持っていて量産効果も大きいので,競争するには手ごわい相手です。
しかし,我々は競争に勝つために,プラットフォームの統一や,フルスペックのマザーボードを開発し,モデルごとにパターンを削って実装することでコストを削減できるように工夫しています。究極的には,A4ノートPCの場合で言えば,インテルとAMDのCPUを搭載した2種類のマザーボードに統一し,それですべての機種とモデルをカバーできるようにしました。多数のマザーボードがあると,それぞれについて信頼性の評価をしなければなりませんが,これらを2種類に統一することによって,品質・安定性の評価を重点的に行なえるので,信頼性も向上するのです。
たとえば,同様のことがNBの場合でも云えます。マザーボードは14インチ液晶モデルでも,15インチ液晶モデルでも同じものです。本体のデザインを工夫し,同じマザーボードで端子類を実装できるようになっています。各部品も共通化し,光ディスクドライブのふたなどもほぼ全機種で統一しているわけです。このような見えない努力により,同じ価格帯なら他社の機種よりもお買い得といえるようなマシンを作り出しています。
FMV-BIBLO NB8/900Lの主なスペック | |
編集部予想価格 | 18万円強 |
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CPU | Mobile Pentium III-900MHz |
チップセット | 440MX |
メモリ(標準/最大)スロット数(空き) | 256MB/256MB 1(0) |
ハードディスク | 30GB |
光ディスク | CD-RW/DVD-ROM |
ビデオ | ATI RAGE MOBILITY-P(8MB) |
サウンド | AC97準拠ソフトオーディオ,ステレオスピーカ |
液晶サイズ | 14.1インチ |
最大液晶解像度 | 1024×768ドット |
液晶輝度,コントラスト | 未公開 |
視野角 | 未公開 |
キーピッチ,キーストローク | 19mm/3mm |
特殊ボタン(閉鎖時使用,カスタマイズ) | 4(不可,可) |
外部インターフェイス | LAN,USB×4,56kbpsモデム(V.90),IEEE1394×1,外部ディスプレイ,ヘッドフォン,マイク,S/P DIF,ライン入力,Sビデオ |
カードスロット | PCカード(TypeII×2) |
オプションベイ | なし |
本体サイズ | 幅325.5×奥行き282×高さ44.8mm |
重量 | 約3.3kg |
稼働時間 | 約2.5時間 |
充電時間 | 約3時間 |
ACアダプタ(サイズ,重さ) | 幅126×奥行き50×高さ29mm,約320g |
リカバリ方法 | 付属CD-ROMから |
搭載OS | Windows XP HomeEdition |
オフィスソフト | MS Office XP Personal |
ウイルス対策ソフト | Norton Personal Firewall for Fujitsu |