緊急時にバッテリ駆動が可能な
省スペースマシンという位置づけ
モバイル向けのマシンではないが,ACアダプタはかなりコンパクトにまとまっている。非常時の持ち出し時にもかさばらないだろう。 |
CPUはすでに紹介したようにMobile Pentium III-900MHzを採用する。ノートPCでもGHz超えが当たり前となった今ではインパクトはないが,ビジネス/エンターテイメント利用のどちらにも十分な性能を発揮できるため問題はない。メモリは標準で256MBを搭載するが,マザーボード上に128MB,増設用メモリスロットに128MBという構成となっており,チップセットに440MXを搭載していることもあってこれ以上の増設はできない。256MBあればWindows XP上で一般的なビジネスアプリケーションを利用するには十分だが,これ以上の増設が不可ということは頭に入れておいたほうがよいだろう。
DVD再生もバッチリ
価格重視ながら高輝度液晶を搭載
ドライブ類はA4オールインワンノートPCにふさわしく,HDD,光ディスクドライブ,FDDの3つがすべて本体に内蔵されている。HDDの容量は30GBで容量的には十分なクラスだ。ULTRA ATA66に対応しているドライブだが,チップセットがULTRA ATA33までのサポートなのでパフォーマンスが劣るかと思われたが,ベンチマークを見ると他機種と比較して特に劣っている点はなく,特に気にする必要はない。また,HDDは着脱可能なユニットではなく,本体内の金具に固定して装着するようになっているが,入れ換え作業自体はさほど難しくはない。光ディスクドライブには,CD-RWとDVD-ROMの両方を使用できるコンボドライブを搭載する。スピードはCD-R/RWが書き込み8倍速,CD-ROMの読み出しが24倍速,DVD-ROMの読み出しが8倍速だ。コストパフォーマンス重視のシリーズながら,CD-Rをサポートするコンボドライブの採用は見逃せないポイントである。なお,これらのドライブはすべて本体に固定されており,FDDドライブや光ドライブをワンタッチで外して重量を軽減したり,FDDや光ドライブを外して替わりにHDDを装着したりすることはできない。
本体左右側面。 |
本体前面および背面。 |
グラフィックチップはATIのRAGE MOBILITY-P(PCI接続)を搭載し,ビデオメモリは8MBとなっている。これはATIの3Dアクセラレータとしては2世代前の製品がベースになっており,3Dベンチマークテストを見ても,GeForceGOを搭載するDynabook G3やMOBILITY RADEONを搭載するバイオノート GRと比較すると,大きく差を付けられている。とはいえ,ビジネスアプリやインターネットがメインの利用用途なら,このベンチ結果はあまり気にする必要はないので,「3Dゲームは苦手」とだけ心得ておこう。液晶は解像度1024×768ドット/26万色(ディザリングによりフルカラー表示)が表示可能な14.1インチTFT液晶を搭載する。さらに,この液晶は高輝度・低反射タイプのパネルとなっており,DVDビデオ再生といった動画表示時にその性能を発揮し,一般の液晶よりも鮮やかな画面でムービーを鑑賞できる。実際に液晶を見ると,一見しただけで一般的なノートPCの液晶よりも明るくきれいに見えるのだが,テキスト表示といったオフィスアプリ利用時は目が疲れやすく感じるというデメリットもあり,高輝度液晶パネルの採用がよいか悪いかという判断は一概にはできない。エンターテイメント利用時とビジネス利用時で輝度調整を使い分ける必要があるだろう。