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KDDI、GPSナビゲーションや動画配信、WAP2.0対応のau新サービス発表

2001年11月12日 22時47分更新

文● 編集部 佐々木千之

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auの携帯電話は3つのセグメントに

今回の発表に合わせて、新サービスが利用できる携帯電話3機種『cdmaOne C5001T』『cdmaOne C3001H』『cdmaOne C3002K』が発表となった。

『cdmaOne C5001T』『cdmaOne C3001H』『cdmaOne C3002K』
(左から)『cdmaOne C5001T』『cdmaOne C3001H』『cdmaOne C3002K』

C5001Tはeznavigationとezmovieを含むすべてのサービスが利用できる(株)東芝製の“ムービーケータイ”(※3)フラッグシップモデル。144×176ドットで4096色表示可能な低温ポリシリコンTFTカラー液晶ディスプレーを備え、秒間15コマのQCIFサイズ(144×176ドット)動画の再生が可能。連続待ち受け時間は約200時間、連続通話時間約150分、サイズは幅47×高さ96×奥行き24mmで重さは約98g。連続して動画を再生した場合は約2時間の再生が可能としている。価格はオープンだが、編集部による予想価格は2万円程度。

※3 KDDIでは、ezmovieに対応した携帯電話をムービーケータイと呼んでいる。

C3001Hは、eznavigationに対応した日立製作所(株)製のGPSケータイ”(※4)で、セコムが提供する位置情報提供・救急信号発信・現場急行サービス“ココセコムEZ”に対応している(C3001Hのみ)。120×162ドットで4096色表示可能なTFD(Thin Film Diode)カラー液晶ディスプレー、1MBのデータフォルダーを備える。日本語変換システムには、同社の『C451H』に搭載した“ATOK Pocket for Mobile Phone”をバージョンアップし、辞書登録単語数を1万4000語追加して9万8000語とした“ATOK for au”を搭載した。連続待ち受け時間は約220時間、連続通話時間約200分、サイズは幅44×高さ130×奥行き19mmで重さは約86g。

※4 KDDIでは、eznavigationに対応した携帯電話を“GPSケータイ”と呼んでいる。

C3002Kは、eznavigationに対応した京セラ(株)製のGPSケータイ。128×160ドットで6万5536色表示可能なGF(Glass Fine)カラー液晶ディスプレーを備えている。電話帳、着信履歴、リダイヤルなどの表示を24×24ドットで行なう“拡大文字表示”機能やLEDインジケーターの色(青、緑、赤)で、音声着信かメール着信かといった判別ができる“お知らせランプ”機能を持つ。日本語変換ソフトには“モバイルWnn(うんぬ)V2”を採用している。連続待ち受け時間は約230時間、連続通話時間約200分、サイズは幅48×高さ98×奥行き22mmで重さは約100g。

KDDIは8日に、三洋電機(株)『cdmaOne C1001SA』とソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株)の『cdmaOne C1002S』を発表しているが、この2機種は本日発表したサービスには対応していない。KDDIでは、携帯電話のラインアップを、ezmovieを含むフルサービスを利用できるフラッグシップ、eznavigationをサポートするスタンダード、従来のEZwebサービスが利用できるエントリーの3つのセグメントに分けて提供していく計画という。

auの携帯電話ラインアップ構成
auの携帯電話ラインアップ構成

今回携帯電話の周辺機器として、cdmaOne携帯電話に接続してBluetoothによる無線通信機能を利用できる『Bluetoothアダプタ』(TDK(株)製)と、携帯電話にセットしてezplus対応のゲームコンテンツの操作性を向上する『ezplusコントローラ』((株)ホリ)を発表した。Bluetoothアダプタの価格はオープンだが、編集部による予想価格は2万5000円程度。別売りのシンクロソフトMySyncを使って、Bluetooth機能を備えたパソコンと通信が可能としている。ezplusコントローラは定価2600円となっている。

『Bluetoothアダプタ』リチウム充電池を内蔵しており、連続2時間以上の無線通信が可能『Bluetoothアダプタ』リチウム充電池を内蔵しており、連続2時間以上の無線通信が可能。充電は付属のACアダプターを使う
ホリの『ezplusコントローラ』
ホリの『ezplusコントローラ』

新サービス向け料金体系

KDDIではムービーケータイやGPSケータイの大容量データ通信向けの料金体型“EZwebmulti(イージーウェブマルチ)”を開始する。従来のEZwebサービスは1パケットあたり0.27円だが、EZwebmultiでは、メールについては0.27円と変わらないが、それ以外のインターネットサービスを利用する場合1:00~17:00を“お得タイム”として、この時間内のデータ通信料金を、100パケットまで1パケットあたり0.2円、100パケットを超える分については0.1円とする(お得タイム以外の時間帯は従来と同じ)。お得タイムで100KBのデータを利用した場合、料金は約88円、10KBの場合約16円としている。なお、EZwebの利用料金は毎月300円となっている。

“EZwebmulti”の料金体系
“EZwebmulti”の料金体系。お得タイムではEZwebより63%安いレートとなる

ムービーケータイの場合、64kbpsの高速パケットサービスに加入する必要がある。高速パケットサービスの定額利用料金は毎月600円だが、2002年3月末までは無料で提供する。2002年4月1日以降、EZwebmultiと高速パケットサービスを利用する場合の料金は700円を予定している。高頻度でサービスを利用するユーザー向けには、2400円の定額料で1万円分の通信が可能な“ミドルパック”を用意しており、これを利用することで、100KBの動画データを約21円、地図データ1枚約4円で利用できるとしている。

データ通信のヘビーユーザー向け料金パッケージ“ミドルパック”
データ通信のヘビーユーザー向け料金パッケージ“ミドルパック”

auの通信速度は高速パケットサービスを利用した場合でも64kbpsと、FOMAの384kbpsに比べると遅いが、auのエリア内なら全国(※5)で利用できるメリットがある。KDDIは2002年春をめどに通信速度を144kbpsに引き上げる“cdmaOne 1x”計画も進めており、料金はアナウンスしていないものの、FOMAより安くなると予想され、これが開始されればデータ通信を多用するユーザーにとって、auは魅力的な選択肢になる。

※5 auのEZwebサービスは、auのサービスエリア内すべてで利用可能。なお、FOMAは12月に東京、横浜の一部に加えて名古屋、京阪神地区でサービスを開始する。2002年春の時点でも、全国主要都市にとどまる。

また動画配信ということでは、NTTドコモ(株)のFOMAが思い浮かぶが、FOMAではテレビ電話機能などで動画通信が利用できるものの、動画コンテンツ提供サービス“M-stage visual”は2002年春に延期となっており、正式なコンテンツサービス開始ではauが先行する形になった。当初提供するコンテンツでは、エンターテイメント指向が強いコンテンツが多いようだが、ユーザーがどのようなコンテンツをどのくらい利用するのか興味深いところだ。

携帯電話のシェアで以前はNTTドコモに次ぐ2位を確保していたauだが、最近はJ-フォングループの猛烈な追い上げによりその差は無くなっている。J-フォングループはカメラを端末に内蔵して画像撮影機能を標準機能とするなど、端末の機能を中心としたマーケティングを行なっているが、auは「機能ではなく、(端末で利用できる)サービスを中心に」(KDDI代表取締役社長の小野寺正氏)としており、サービスのラインアップを充実していくことで、他社との差別化を図っていく計画だ。

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