(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは3日、第3世代携帯電話“FOMA”のサービスを、10月1日に本格的に開始すると発表した。
FOMAスタンダードタイプ『N2001』を掲げるNTTドコモ立川敬二代表取締役社長 |
10月1日にサービスを開始するのは、国道16号線内の地域(都心から半径約30kmの範囲)。12月には京阪神主要エリアと名古屋市、南関東の主要エリアで、2002年春には全国の主要都市にサービスを拡大する。
NTTドコモでは、5月30日より4500人を対象にFOMAの試験サービスを行なってきたが、同日の記者会見で立川敬二代表取締役社長は「端末、ネットワーク、それぞれが安定した」、また津田志郎常務取締役ネットワーク本部長は「10月1日に向けての品質は確保できた」と語り、通信の品質についての自信を示した。
津田常務の説明によると、試験サービスで問題となった「つながらない」あるいは「つながっても通話中に切れる」といった状況について、8月25日の段階で接続率は試験サービス開始時の約50%から約95%に、通話中切断率も半分程度に、それぞれ向上したという。試験サービスでは448件の問題が発生したが、そのうちの402件は解決し、残りは現在対策を準備中か、再現しない問題だとしている。
津田志郎常務取締役ネットワーク本部長 |
また、試験サービスでのデータ通信の利用状況についてだが、PDCのiモードではユーザー1人が1日平均で220パケット、パケット通信サービス“DoPa”では1100パケットの利用であるのに対し、FOMAでは個人モニターが1日2500パケット、法人モニターが1日4300パケットを利用したという。立川社長は「法人を中心にサービスの展開を図りたい」としており、試験サービスの利用状況はその展望を補強するものとなった。
FOMAの利用料金は、NTTドコモでは基本的には現在のPDCと同水準だとしている。課金は、国際ローミングを行なうことを前提に、欧米諸国との親和性を意識して30秒単位で行なう。また、料金の時間帯区分は現行の4段階から、ピーク時、オフピーク時の2段階に簡略化する。料金体系は、5種類の総合利用プランと1種類のデータ専用プランの、合計6種類用意する。
同日の記者会見。左から津田常務、立川社長、野村秀樹常務取締役営業本部長、潮田邦夫取締役法人営業本部長 |
料金は、試験サービスの結果、同社が平均的なプランと考える“FOMAプラン39”の場合、基本使用料3900円、そのうち無料通話分が700円。サービス開始から6ヵ月間は、すべてのプランに1000円の無料通信分を設定する。30秒間の通話料金は、FOMA発FOMAもしくは現行の携帯電話着で14.5円、FOMA発NTT加入電話着で13.0円。ビジュアルタイプのTV電話を含む“64kbpsデジタル通信モード”の場合、FOMA発FOMA着で26.0円、FOMA発加入電話着で23.5円となっている。
プラン名 | 基本使用料 | 無料通信分 | 期間限定特別料金 |
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FOMAプラン39 | 3900円 | 700円 | 無料通信分1000円 |
FOMAプラン49 | 4900円 | 200円 | |
FOMAプラン67 | 6700円 | 4000円 | |
FOMAプラン100 | 1万円 | 7300円 | |
FOMAプラン150 | 1万5000円 | 1万1600円 |
プラン名 | 基本使用料 | 無料通信分 | 期間限定特別料金 |
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FOMAデータプラン22 | 2200円 | 0円 | 無料通信分1000円 |
一方、パケット料金については、4種類の“パケットパック”から利用状況に合わせた選択が可能。“パケットパック20”の場合、定額料が2000円で1パケットが0.1円。つまり、月に2万パケットまでは2000円の定額で、それ以降は1パケット0.1円で課金する。
パケットパック | 定額料 | 通信料 |
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パケットパック20 | 2000円 | 1パケット0.1円 |
パケットパック40 | 4000円 | 1パケット0.05円 |
パケットパック80 | 8000円 | 1パケット0.02円 |
パケットパックなし | 0円 | 1パケット0.2円 |
立川社長は、「FOMAは高速データ通信を重視した携帯電話」であり、ドコモの提供するPDC、PHS、FOMAそれぞれの位置付けについては「PDCは主に通話をする人、FOMAは高速なiモードや高速データ通信、映像通信などを利用する人、PHSは中程度のデータ通信を行なう人」となり、「3サービスは当面共存できる」との認識を示した。