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NTTドコモ、10月1日にFOMA正式サービス開始――データ通信に定額料金プランはなし

2001年09月03日 23時33分更新

文● 編集部 中西祥智

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FOMAの契約数について、同社では今年度末で15万契約、2004年3月には600万契約を見込んでいる。また、その見通しに対応する形で今後3年間に、約1兆円の投資を行なう。津田常務によると、そのうち6割強を基地局の整備などに充てるという。

FOMA展開計画
FOMA展開計画

FOMAの今後の展開は、サービス開始時にはiモードとテレビ電話機能を、近日中にiモードで映像クリッピングを可能にする“iモーション”を、2001年度末には“M-stage visual/music”サービスとして映像・音楽配信、その後国際ローミングサービスやモバイルEC、位置情報サービスに対応するとしている。また、FOMAと現行携帯電話が同一番号で使い分けられる“デュアルネットワーク”機能や、音楽配信端末、PDCとのデュアル端末、そしてFOMA端末としてのPDAも提供するという。立川社長は、FOMA端末が高機能になれば、現在のPDA・パソコンのようになると予想している。

“M-stage visual”は、試験サービスでは提供していたが、本サービスではいったん見送り、端末のメニュー表示から削除する。“iモーション”については、端末の機能が間に合わなかったため、またコンテンツプロバイダーがコンテンツをそろえるのを待つためにサービス開始時には提供せず、年内に対応電話機と共に提供開始する。このため、サービス開始後すぐに新端末が登場することになるが、現行の端末を購入する利用者には、そのことを説明した上で契約してもらうという。

FOMAのサービス展開
FOMAのサービス展開

また、法人向けサービスについては、FOMAを利用したシステムの構築からオペレーション、メンテナンスまでをNTTドコモで行なうという。海外展開については、ライセンスという形を採り、特許料、ライセンス料を課すことになる。しかし、同社は特許料などで利益をあげようというのではなく、装置・端末の共同調達によるコストダウンをねらっているという。現在パートナー企業として、英Hutchison 3G UK社が導入を予定している。

会場内で展示していたFOMA端末
会場内で展示していたFOMA端末

サービス開始時に提供する端末は、試験サービス時と同じくスタンダードタイプの『N2001』、ビジュアルタイプの『P2101V』、データタイプの『P2401』の3種類。価格についてはNTTドコモが決めるものではないとしながらも、『N2001』が現行の503iの3割から5割増し、『P2101V』が倍程度、『P2401』も『P-in Comp@ct』などの倍程度の価格になるとしている。

FOMAの料金体系に定額料金を採用しなかったのは、立川社長によると「携帯電話は無線空間・スペクトラムを共有しているものであり、それを専有する定額料金制は、現段階では無理」だという。ただし、パケットパックなどによって、限りなく定額制に近い料金体系を実現したとしている。

NTTドコモはFOMAにおいて、サービス開始初年度は赤字だが、4年後の単年度黒字、5年後の累積赤字一掃を目指している。

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