すでにアクティベートされたWindows XPのインストレーションに対して、ハードウェアの変更がどのような影響を与えるかを調べる上で、'system32'ディレクトリにある'wpa.dbl'ファイルが中心的な役割を演じる。これはシンプルなRC4暗号データベースで、アクティベートされたインストレーションの失効情報(expiration information)や、コンファメーションID(Confirmation ID)などの他に、次の情報を含む。
- a) 現在のハードウェア構成を表現する各ビットフィールドの値
および
- b) プロダクトアクティベーションが行なわれたときのハードウェア構成を表現する各ビットフィールドの値
a)は、ハードウェアの変更を反映してハードウェア構成が変わるたびに、毎回自動的に更新される。これに対し、b)は固定されたままとなる。したがって、b)は、プロダクトアクティベーションを行なったときのハードウェア構成を記録したスナップショットとみなすことができる。
このスナップショットは、プロダクトアクティベーションを行なう前のデータベースには存在しないので、アクティベーションの前後で'wpa.dbl'のサイズを比較すれば、ファイルサイズの増加が認められる。これはデータベースにスナップショットが追加されるからである。
再アクティベーションが必要かどうかを判断するときは、a)の各ビットフィールドの値とが、b)の各ビットフィールドの値と比較される。すなわち、現在のハードウェア構成が、アクティベーションを行なったときのハードウェア構成と、比較される。
ドッキングできないコンピュータの場合
未使用フィールドと「ドッキング可能」フィールドを除いて、すべてのビットフィールドが比較されるのが典型的である。a)に含まれる、これら10個のビットフィールドのうち、プロダクトアクティベーションの後で4つ以上が変わったら、再アクティベーションが必要である。
つまり、たとえば前に挙げた実例の場合、HDDとCD-ROMドライブを入れ替え、RAMを大幅に増やしたとしても、そのWindows XPのインストレーションを再アクティベートする必要はない、ということになる。
ただし、もしもWindows XPを完全に再インストールしたら、b)の情報は失われるので、たとえハードウェアを変更していなくても、そのインストレーションは再アクティベートしなければならない。
ドッキング可能なコンピュータの場合
けれども、もしH2のbit 31によって、そのコンピュータがドッキングステーションをサポートすることが示されていたら、上述の10個のビットフィールドのうち7個だけが比較される。SCSIホストアダプタ、IDEコントローラ、グラフィックスボードに対応するビットフィールドは、比較されない。そして、この場合も、残りの7個のビットフィールドのうち3つまでなら、変更しても再アクティベーションの必要は生じない。