LED照明って、実は省電力にならない?
LEDは省電力性能が高く、CO2削減に役立つなどセールスポイントは大きい。とはいえ実際の導入にはまだ課題が残りそうだ。ひとつは「単価」で、同程度の出力の蛍光管や電球型蛍光灯とリプレイスするのに1万~数万円かかるのでは、「電力消費が半減するから」と言われてもなかなか導入は難しい。
さらなる問題は、ほとんどのメーカーがセールスポイントとして挙げているにも関わらず、現実には必ずしもLED化が省電力に繋がるわけではないということだ。確かに同程度の明るさならばLEDは蛍光灯と比べて半分程度の消費電力で済み、計算上は省電力になると思うかもしれないが、LED照明の特性に問題がある。
蛍光灯はガラス管の内壁に塗布された蛍光剤が光り、その光は全方位に広がるのに対して、LEDは小さな半導体面が光って表面のレンズによって光が一方向に照射される。LED照明の効率が高いのはこのためだが、照明として考えるとこの特性の違い(全方位と指向性)は大きい。
現在のLED照明の多くが天井設置のダウンライトとして利用されているように、限られたエリアをスポット的に照らすには十分だが、オフィス照明のように広いエリアを均一に照らそうとすると、設置数の増加や散光の工夫などが必要となり、結果的に蛍光灯照明に比べて「消費電力的に若干お得な」程度になってしまう。
もちろんLEDの寿命は蛍光灯よりも長いため、電力消費以外にもメリットがあるほか、水銀を使わないなど環境面で見るとその価値は高いのだが、従来型の蛍光灯をそのまま代替するという単純な話ではなく、オフィスのライティングデザインそのものを見なおす必要もありそうだ。
実際、会場の各所でアピールされていたのがLED照明を使った各種店舗レイアウトで、LEDのスポット照明を最もうまく使えるのは商品展示であるのは確かなようだ。
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