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ボトムズの生みの親、高橋良輔監督に直撃インタビュー!

2009年01月20日 23時00分更新

文● コンテンツ計画 清水

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―――今回の劇場版ではTVシリーズのOP曲「炎のさだめ」が使われていますね

【高橋監督】 これについては劇場版を観たときに、「あっ、ここで使ったのか」というのを観てもらいたいです。OP的な使い方でありません。TVシリーズが始まる前の話が「ペールゼン・ファイルズ」っていうことですよね。だから「すべては、振り出しに戻る」っていうキャッチコピーになっていますが、そういうテーマもあって今回復活しました。

 ボトムズは参加したスタッフがけっこう仲がいいんです。今度新しく音楽を作ってもらった前嶋さんとか、OP&ED歌を歌ってくれた柳さんとか。たとえば映画で、昔に戻ってイントロが「炎のさだめ」でってなると、「ペールゼン・ファイルズ」の俺の歌はどうなるんだ? 俺は何やったんだ? ということになる。僕が柳さんだったらイヤだもんね。「ペールゼン・ファイルズ」は俺の歌だろうって言うね。だから「ペールゼン・ファイルズ」のOP&EDをどこで使って、「炎のさだめ」をどこで使ってと。
 TVシリーズの音楽を作ってくれた乾さんはもう亡くなられたのですが、乾さんの音楽も大事にしたいという欲張りなところがあるんですよ。それが観る人にもちょっとほっとさせるんじゃないかなという思いがあるので、自分としてはうまく入ったんじゃないかと思っています。

―――キリコ役の郷田ほづみさんについてですが、25年経って以前より若い役を演じていることの影響はありませんでしたか?

【高橋監督】 あんまりしゃべんないですからねぇ。ボロは出ないって感じですかね(笑)。僕の中では年月が経とうと、キリコというとやっぱり郷田ほづみさんの声ってイメージです。当時もキリコの声は郷田さんにいきつくまで相当難航しました。ずっと決まらなくて……。でも、「これはどうでしょう?」というのを聞いて一発で決めた。出会うまではしょうがないですね。

 僕は音のほうでは、今の音響監督の浦上さんと長いし、浦上さんの選曲をものすごく信頼しています。キャスティングは僕のほうでいつも相当注文を出すので、それに応えていただけるのが特にありがたいですね。というのは、絵がないときからキャラクターを自分で作っていますから、自分の中にはある程度イメージがあるのです。でも、僕は長いことアニメーションを作っていても、声優さんをよく知ってるかというとそうじゃない。自分のイメージと、声とを聞かせてもらって合わないと、その声優さんがどんなに力があってもダメということがありますね。

―――最後に、劇場版公開について読者にメッセージをいただけますでしょうか。

【高橋監督】 いつもファンの方はありがたいなぁと思って作っています。よくまあ、25年もと。当時映画になるならわかりますが、25年も経って映画にでもしてみようかと思わせるものは、やっぱりある程度観てくれる人の声が聞こえてこないとできない。数が多いか少ないかは置いておいて。でも、25年付き合っていただいた人には失望しないレベルに仕上がってると思います。

 本当は他のレギュラーが出るもので映画を作りたかったんですけど、今回はDVDからという流れがありますから、ぜひ次には、かつてのレギュラーが出る映画が作れるように、「ペールゼン・ファイルズ 劇場版」がそのきっかけになるといいなと思っています。

(次ページへ続く)

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