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「紅」がドラマCDで再登場! 松尾監督にその真意を聞く【前編】

2008年11月22日 20時00分更新

文● コンテンツ計画 清水

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 大好評のうちに放送を終了したTVアニメ「紅」。あの五月雨荘の面々が、ドラマCDで再び登場する。シナリオは松尾衡監督が書き下ろした完全オリジナル新作。今回はこのドラマCD収録スタジオに乗り込み、収録直後の松尾監督に直撃インタビューを行なった!!

松尾監督

松尾監督に直撃インタビュー

───さっそくですがドラマCDの収録を終えての感想はいかがでしょう?

【松尾監督】 1回テレビシリーズやってるからでしょうけれども、とてもスムーズでした。思っていたより早く終わって。最初のテストは、やっぱりなと、久しぶりだからかなと思いましたけど、中に入って指示を出したら、2回目のテストから何も問題ありませんでした。テレビ最終回の収録は3月の頭だったのでだいぶ間が空きましたが、全然平気でしたね。スルッといったというか。

───今回監督が書かれた3つのシナリオは、それぞれどんなテーマで書かれたのですか。

【松尾監督】 実は第2話が没になって、書き直したものなんですけど、なるべく大人数でわいわいやってるもので、しかも非常にこぢんまりとした中でトラブルが起こるっていう話を作りました。テレビのプロットなんですけど、オーディエンスをなるべく増やす。日常で起こりうる延長で、プラスアルファこういうことが起こったらおもしろいかも知れないなっていうことをなるべくやろうと思いました。

 そういう意味では非常に庶民的な話題だったり、10代の頃に経験するであろうことをなるべく入れ込もうと。それとプラスアルファして20代ぐらいになって事情がある程度わかってる人間がちゃちゃを入れるっていう、そういう構造をなるべく作ろうと思いました。そうしないと若い子と年取った人との交流がうまくできない。そこでのすれ違いだったりとか、あるいはその逆から生まれたおもしろさみたいなことをテレビシリーズの頃から心がけていたので、それを今回も変わらずやろうと。

 あと、温泉に行く話を作ってくれというオファーがあって(笑)。最初の企画書の中に書いてあって、温泉物をどうやってやればいいかっていう話をしてたんですが、その場で結論が出なくて作ったのが、スパに行くという第3話になりました。結局スパにも行ってないんですけどね(笑)

───その第3話の舞台になっているラブホテルは、実際にモデルになっているホテルがあるのでしょうか?

【松尾監督】 ありますよ。舞台になっている五月雨荘がある通りというのは大久保なんですけど、ここにアパートはなく、ラブホテルがあるんです。その向かいにアパートを作ろうってところから始まっているので。でもさすがにテレビシリーズで入れるわけにいかないと思ってて、でも結局入ったんだけど。(笑)

 それをシリアスな話をするところで使っちゃってるんです。昔の公安がスパイを雇って送り込むときに、どこで打ち合わせをしているかというと、ラブホテルなんですよね。だからテレビシリーズのときはそういう使い方をしたんだけれど、なんかおもしろくないなと。おもしろい使い方ができないかということをずっと思っていて、思いながらもテレビではできなかったんで今回使ったと。
 会話のいくつか、たとえば1話の序盤で紅香が2人に対してすごい怒ってるのとかは、実はテレビシリーズの時に書いてたものなんですよ。それが入り切らなくて、僕のところでカットしたメモがパソコンの中に残っていて、その会話をいくつか使わせてもらったという感じですかね。

───ガイドブックのインタビューの中で弥生の話が入りきらなかったという話がありましたよね?

【松尾監督】 あれもテレビでカットしてしまったので、今回使おうと。実はうちのスタッフの女性がああいうグチを言っていたんです。(笑)
 全然関係なく飲んでるときにそういうグチを聞いていて、それをいただいてセリフにして本編に使ったんだけど、結局切っちゃって。そうしたら、「あそこまで恥をさらして大久保が演技をしたのに!」と言われたので、じゃあ形になるように今回使おうと。
 あのセリフがアニメを観てる層の男の子たちにどのぐらい響く言葉なのか僕にはわからないですけどね。(笑)

(次ページへ続く)

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