ソフトバンクモバイルは本日、12月中旬に発売予定だった「Nokia E71」の販売中止を決めた(リリース)。E71はNTTドコモからも販売されることが決定していたが、12月1日に販売しないことをすでに発表している(関連記事 )。
2009年2月にE71の発売を予定していたドコモと違い、発売時期が近かったソフトバンクは同端末を販売するのではないかという見方もあった。さらに、ソフトバンクが2008年の秋・冬端末の新製品として発表した、もう1つのノキア端末「Nokia N82」は無事11月28日に発売されている。
しかし、ソフトバンクモバイルの広報は「(11月27日のノキアの国内携帯事業撤退発表のタイミングで)すでにN82は店頭に運ばれており、時間的な制約もあり発売を行なった。しかし、E71に関しては協議の結果、販売をしないという決定になった」と述べる。
ノキアは「サポート体制を打ち切らない」と発表をしているものの、サポート体制がいつまで続くか、今後の見通しが立たない点をキャリア側として懸念したようだ。
「E71」は薄さ10mmとスリムなコンパクトボディで、女性の小さな手でも使いやすいスマートフォンだった。「Wired Magazine 2008」のアワードを受賞し、「ビジネスユーズに応えながら、マルチメディア機能も豊富でパーソナルユースにも対応できる」と評されるなど、海外での評価もすこぶる高い。
充実したEメール機能が欲しくてスマートフォンを買うユーザーは多いだろうが、E71はメールボックスがワンタッチで開ける専用ボタンや、メールアドレスとパスワードだけでメールの設定ができる簡単設定(国内主要ISP20社に対応)などの更なる進化を見せていた。
E71は2009年に続々と登場するスマートフォン端末の中でも、注目を集めるノキア渾身の一台だった。「幻の端末」となったことは、返す返すも残念なことである。