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2008年12月09日更新

中小企業と大学を繋ぐ都立産業技術研究センターとは?

目的がハッキリしていれば産学公連携は成功する

文●秋山文野

産学連携の中での企業エンジニアの役割とは?

―― 企業側のエンジニアは、その中でどのように行動するのですか

 一般的に共同研究というのは行ったり来たりという形になります。設備を大学に持ち込むケースもありますし、逆に設備が企業にあるので大学側から必要なタイミングで研究者が企業へ赴くこともあります。できあがった製品の検査を企業に行ってやりましょうとかですね。必要な期間常駐する場合や、週に何回と決めて企業側から大学へ行って研究者と一緒に携わるというケースもあります。

産業技術研究センター産業技術研究センターのサイトには共同研究のテーマとその成果などが具体的に紹介されている

―― 技術以外に、どのようなスキルが必要ですか

 あるターゲット・技術に対して詳しいということは大前提です。マーケティングの素養がある程度あるとか、協調性も大事でしょうし、研究開発ですからプロジェクト管理やリスク管理ということもある程度わかっていないといけません。どういうリスクが内在しているかを考えて、それが出たとき前に進むかあきらめるか、といったリスクマネジメントができることは重要でしょう。

―― 産学連携につきもののリスクというのは?

 一番問題なのは、大学側と企業との役割分担。開発費はいくらで、いつまでに、どういうアウトプットを出すかという部分です。これは最初の時点で契約で明確にしておきます。そうでないと関係がおかしくなります。一番揉めやすいのは、研究開発を通して特許などの知財関係が発生したのに、その権利の帰属などがハッキリとさせておかないケースですね。この研究を通じて発生した特許権はどうなるのか、特許権は大学が持つが、その使用は企業に帰属するとか、これもしっかり契約の中に盛り込んでおかないといけません。

 また、限られた研究開発費の中で予算の見積もりが甘かったりしたときこれ以上進めたらどうなるか、ということを判定して進めることも重要です。企業と契約はしたものの、大学側の研究者の方が辞められたとか。その場合、組織としてどうカバーするか。頻繁にあることではないですがこれもリスク要因です。

 企業同士の場合ですと、たとえば部品調達先の信用調査をしますよね。研究開発の場合はそれほどではないにしても、そういった“最悪の場合”も考えておかないとダメでしょう。

―― 大変ですがエンジニアにとっても、勉強になりますね

 そうですね。共同研究という形をとれた場合、新しい研究開発を企業と大学で協調してやるというのはエンジニアにとって大きなチャンスです。

―― むしろエンジニアの方からそういう形での開発を持ちかけてみるということも考えられるでしょうか?

 直接商品が売れる、ということでなくても売れる商品のインフラになるような技術であれば、経営者を説得するなど、ボトムアップでエンジニアの方が提案するのは可能だと思います。

―― 企業のエンジニアが、大学へ移籍するようなケースはありますか?

 企業に所属していた技術者が大学側へ移籍して、教員の立場で教えたり研究されているケースはあります。エンジニアの方でも大いにチャンスはあると思います。ただし抜きんでた部分を持っていないと簡単に採用というわけにはいきません。重要なプロジェクトに関わった経験がある、テーマを持っている、という方がそれを論文にまとめられるのであればチャンスは大いにあると思います。

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