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30層におよぶ蒸着膜で波長をカット

科学の眼(鏡)「バリアントール」

2008年04月22日 22時06分更新

文● 新 淳一/アスキーネタ帳編集部

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 先日、4月16日~18日の3日間、東京ビッグサイトで行なわれていたファインテック・ジャパンの会場で不思議な眼鏡を見つけました。伊藤光学工業(株)の「バリアントール」という眼鏡です。

眼鏡型特殊フィルタ

色弱模擬フィルタ「バリアントール」

 バリアントールは、“色弱者の色の見分けにくさを一般色覚者が体験できるようにした眼鏡型特殊フィルタ”です。説明してくれた伊藤光学工業(株) 小坂さんの話によれば、現在、日本における色弱者の方の数は300万人以上。たとえば、車いすの方と同じくらいの数の人がいるそうです。色覚の個人差を問わず、できるだけ多くの人が見やすいように色をデザインする“カラーユニバーサルデザイン”という考え方が、現在、重要度を増していると言います。

 最近は、新聞や教科書などでもカラー化が進んでいます。そういえばレーザープリンターもカラーが当たり前になりつつありますね。LEDの普及でインジケーター類もカラフルになり、色で判別させるものが増えています。それにともない、色による判別を前提とする表示やサイン(標識など)も急増。しかし、色弱者の方にとっては、モノクロであれば見分けられたものが、見分けにくくなっていくという現状があります。

 たとえば、赤は充電中で緑は充電完了を示す、充電可能な電化製品をよく見かけます。しかし、あれも色弱者の方には見分けにくいものの典型なのだそうです。プレゼンテーションで見せられるカラフルな積み上げ棒グラフも、色遣いによっては、ただの棒に見えてしまう可能性があります。

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