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池田信夫の「サイバーリバタリアン」 ― 第44回

新聞の終わりの始まり

2008年11月25日 16時30分更新

文● 池田信夫/経済学者

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朝日新聞社が初の赤字決算

1995年から朝日新聞社が提供するニュースサイト「asahi.com」。月間ユニークユーザーは公称約900万人。男女比は7:3で、利用者の年齢層は30代後半~50代前半

 朝日新聞社が21日発表した9月期中間連結決算は、営業損益が5億円の赤字、純損益は103億円の赤字となった。同社が赤字を計上したのは、決算を公表するようになって初めてだ。今期は投資有価証券の売却損44億円という特殊要因があるが、中間決算は4期連続の減収だ。広告収入も販売部数も減って、売上高は2698億円と前年同期の4.4%減である。新聞業界では健全経営とみられていた朝日新聞社が赤字に転落したことは、驚きをもって迎えられた。

 新聞が斜陽化するのは、日本だけの現象ではない。米国の発行部数調査機関ABCによると、今年4~9月の新聞の発行部数は、昨年に比べ4.7%減った。有力紙も部数減・広告収入減が止まらない。ニューヨーク・タイムズ社は20日、四半期の配当を1株23セントから6セントへ大幅に減らすと発表した。今年10月期の売り上げは前年同月比9.4%減で、赤字転落の懸念が強まってきたためだ。米最大部数の"USA TODAY"紙を発行するガネット社は社員の10%に当たる3000人をレイオフし、ロサンゼルス・タイムズ紙などを発行するトリビューン社は、記者を7年前の半分に縮小する方針を明らかにした。

紙を捨てる新聞

 紙媒体を捨てる新聞も出てきた。11月25日に創刊100年を迎える米国の名門紙「クリスチャン・サイエンス・モニター」(CSM)は、全国紙として初めて来年4月からウェブだけの電子新聞としてやっていくという社告を出した。最盛期には20万部だった発行部数が5万部まで落ち込み、昨年は1890万ドルの赤字で、全国紙としての販売網を維持することが不可能になったからだ。

 ただ、この方針転換がうまく行くかどうかはわからない。CSM紙の電子版のアクセスは月間500万ページビュー、ユーザー数は月間150万人だ。私のブログでも月間ページビューは200万PV近いので、その2.5倍のアクセスで95人の社員の雇用を維持できるとは思えない。

 オンライン広告は日本でも増えており、図1のように昨年、インターネットは雑誌を抜いて第3位の広告媒体になった。このペースで行くと3年後には新聞と逆転するが、オンライン広告の増収は紙媒体の減収を補えない。その単価は紙の1割程度だからである。

【図1】媒体別の広告費(億円)電通調べ

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