フルHDキャプチャーはできるか!? Atom 330の限界に挑戦
さて、実はD945GCLF2購入時に、店頭で筆者の目に飛び込んできたモノがある。D4でのアナログキャプチャーができるPCIカード「PV4」の「在庫あります」という貼り紙だ。
一時期は品薄で、欲しくても入手できなかったカードだ。気持ちが大きくなっていた筆者は約2万円で販売されていたそのカードを一緒に購入してしまった。
D945GCLF2で使えるとは思っていないが、ものは試しである。さっそく増設してみた。ちなみにPV4の動作環境としてCPUは「デュアルコア以上」、メモリーは「768MB以上」(Windows XPの場合)となっている。いちおう動作環境範囲内だが……。
スゲー! 1280ドットまで行けちゃった
カードを差してドライバーとキャプチャーアプリをインストール。ちなみに、PV4にはソフトウェアCD-ROMが付属しておらず、販売元のアースソフトのサイトからダウンロードしなければならない。
祈る気持ちでアプリを起動してみると、一応動いてくれた。あとはちゃんとキャプチャーできるかどうかだ。
PV4は縦1080ドット(インターレース)で記録する場合、横の解像度を960~1920ドットまで選択できる。とりあえず段階的に解像度を上げて録画を試してみると、960ドットと1280ドットでは問題なくキャプチャーできた。
ただし、1440ドットまで上げると「HDD空き容量またはCPU処理能力が足りません」とエラーが出て録画が停止する。HDDの空き容量はたっぷりあるので問題はCPU。つまりAtom 330では1280×1080ドットの録画が限界だった。
とはいえ、まさかPV4が動くとは思っておらず、しかもある程度の解像度ならキャプチャーができたことはうれしい誤算だ。
仕事で使うなら十分じゃないか
フルHDビデオ取り込みや再生には難があるものの、ウェブの動画を見たり、メールを書いたりするマシンとしては十分。特に仕事場では、ウェブを見ながらワードやエクセルで作業し、バックグラウンドではメールの受信とウィルス対策ソフトの監視が常に行なわれている、というように複数アプリを同時に動いているシーンが多い。デュアルコアのAtom 330は、そんなビジネス用途で活躍してくれそうだ。
コストを考えると個人的にはいい買い物をしたと満足している。
D945GCLF2を購入した最大の目的
唐突だが、皆さんはシリコングラフィックス(SGI)のグラフィックスワークステーション「O2」をご存知だろうか? 「IRIX」というUNIX系OSを搭載し、主に業務向けの3DCG制作や映像処理作業で用いられた。10年ちょっと前なら数百万はしたマシンである。
そんなマシンの中身を引っ張り出して、Windowsマシンに改造したのが5年ほど前。マザーボードはオンボードで「VIA C3(800MHz)」というCPUを搭載した、初期のmini-ITXマザー。O2の内部スペースの関係でmini-ITXマザーしか入らないという現実があったためだ。
しかし、大がかりな作業の割にはその挙動はあまりに遅く、DVDがかろうじて再生できる程度。O2は今やオブジェとして安らかな眠りについていた。つまり、D945GCLF2とC3搭載マザーを入れ替えて、ちゃんと使えるようにしよう、というのが今回の最大のミッションだったのである。