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CEATEC JAPAN 2008 レポート 第8回

そのまんまCEATEC! やっぱりいた東国原知事 ―― 自治体プラザ

2008年10月02日 04時59分更新

文● 吉川大郎/企画報道編集部

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XOOPSで産学連携 ―― 函館市

 函館市の出展で目立ったのが、公立はこだて未来大学 システム情報科学部の三上貞芳先生が開発した十三湖シジミのトレーザビリティシステムだ。ブランド力のある十三湖シジミ(青森県)は、海外産シジミなどでの偽装が多く産地が頭を悩ませていた。そこで、水揚げされたシジミをQRコードを印刷したシールとともに出荷することで、消費者に届くまでの安全性を確保する仕組みを作った。

 QRコードを印刷したシールは、そのまま消費者の手元までシジミと離れずに付いて回る一種の証明書となる。だから、途中で混ぜ物などは出来ないし、シールそのものを偽造しない限りは偽装もできない。QRコードを携帯電話で読み取ると、十三湖の生産者の顔とともに、彼らが作成した「シジミ汁の作り方」といったコンテンツも見られる。コンテンツマネージャーシステムは、XOOPSベースで作られているという。

「函館臨空工業団地」、「函館テクノパーク」、「港町ふ頭港湾関連用地」をアピール。“臨空”とは、函館市は空港が他都市に比べて近いため。

三上貞芳先生が開発した十三湖シジミのトレーザビリティシステム。産学官連携のひとつのテストケースと言える

左のトレーザビリティシステムは、とれたてのシジミ150gごとに認定シールを貼って偽装を防ぐ仕組みを採るが、そのシールを読み込むために使われるWindows CE搭載のQRコードリーダー

鳥取県

鳥取県は県下の企業3社が展示スペースの真ん中を占めていた。3社の中でもIT開発のアカデミアは、Webによるビデオコミュニケーションシステムを展示。現在はこのシステムを使って「“英会話レッスン・フリーマーケット”e-Akademia.com」を運営。25分4人グループレッスンを1回10ドルで受けられる。ほかにも同システムをフリースクールに提供している

北陸3県連合

富山、石川、福井の3県は、連合で北陸ブースを形成した

福井県は土地、建物、機械設備などに、最高20%の補助金を出すとアピール

富山県は最大50億円の助成制度のほか、「IT関連製造業の世界的な集積地」として“北陸IT街道”を名乗る

石川県には、北陸先端科学技術大学院大学を核にした「いしかわサイエンスパーク」のほか、最大35億円の助成制度を用意

大都市圏の取り組み

千葉県。東京湾側の京葉工業地帯は有名だが、千葉県は内陸部にも数箇所工業団地を抱えている。都心に近い割には土地が安い点、交通網が整備され始めた点が特徴

NTTドコモの研究施設のある横須賀市。古くから輸送機械産業の街であり、立地も横浜から30分、羽田空港からも京浜急行一本でアクセスできる地の利がある

神戸は10年も前から次の産業として医療分野に力を入れていた。「神戸医療産業都市構想」がそれだ。ポートアイランドを中心に、医療関係施設が集い情報交換がなされる

50億円を用意する宮崎県

本記事冒頭でも紹介したとおり、東国原知事(のパネル)が登場した宮崎県は、「50億円」の掛け声も高らかに企業誘致を強烈にアピール。50億円は九州最高額の支援制度だそうだ。CEATECに来訪されたら、宮崎県の「宮崎フリーウェイ工業団地」のチラシ(右)は手に入れるべし。知事のパネルが温泉に浸かっているのだ(ホンモノを使っていないところが、妙に味わい深い)

 これにて自治体プラザの紹介を終わるが、本記事に出ていない自治体も、それぞれ工夫を凝らした展示をしており、地方の特産品の紹介や観光案内も行なっている。もちろん、各地の研究・開発企業の展示も豊富だ。ちょっとした社会見学にもなるので、ぜひ立ち寄るべし。

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