テスト4 噴水(最高画質モード)
水の流れや動きは動画圧縮でノイズが現れやすいシーンだ。噴水の水柱や複雑に波紋が広がる水面の描写で違いが出やすい。
また、静止している建物や床の敷石と動いている水面のディテール感の違いも見比べてみたい。
ここで圧倒的に優れた実力を発揮したのはiVIS HG21で、見た瞬間にはっきりと分かるほど動画の鮮明さが際立っている。圧巻だったのは、揺らめく水面の下に見える敷石の明瞭度。まさに透明感のあるみずみずしい再現だった。
iVIS HG21の「MXPモード」の面目躍如と言える部分で、ノイズ感など微塵も感じさせない。これに比べてしまうと、そのほかのモデルはノイズの出方に違いこそあるが、水柱の飛沫や水面の動きが不明瞭になってしまっていることに気付く。
そのなかでもっとも健闘していたのがHDC-HS100。やや映像がソフトに感じるがノイズの発生をよく抑えていた。DMX-HD1010も低ノイズで、水柱の動きもよく再現していた。
寸評 | |
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キヤノン iVIS HG21 | (MXPモード、約24Mbps)噴水の水の動き、細かい水しぶきまで再現する動画再現は圧巻の一言。揺らめく水面の透明感も、かなり違う。 |
日立 DZ-BD10H | (HXモード、約15Mbps)動きのある映像では、ややノイズ感が目立ってしまった。高解像度な映像では仕方のない部分かも。 |
ソニー HDR-SR12 | (FHモード、約16Mbps)動きの激しい映像では、若干ちらちらとしたノイズが目に付く。そのため、動きのある部分はややソフトに感じる。 |
パナソニック HDC-HS100 | (HAモード、約17Mbps)動いた部分でやや映像が甘くなりがちだが、ノイズのようには感じない。背景の微妙なボケ感も優秀。 |
サンヨー Xacti DMX-HD1010 | (Full-HDモード、約14Mbps)動いている部分のノイズの発生もほとんど目立たず、精細感のある映像だ。動きのある映像とは相性が良さそう。 |
テスト5 噴水(最長画質モード)
テスト4と同じアングルで、長時間モードに切り替えて撮影してみた。すべての機種が1440×1080ドットまたは1280×720ドットでの撮影となる。どのモデルも、動いている部分の解像度感がやや低下しているが盛大にノイズが増えるようなことはない。
MPEG-4 AVCの登場初期にはかなり話題になった部分でもあるので、各社とも改善を進めているのだろう。これならば十分に実用的と言える。常用できるモードではないが、動きの少ない風景やスナップショット的な撮影なら、まったく気にせず使える。
ここでもっともブロックノイズなどの発生が少なく、安定した動画にまとまっていたのはHDC-HS100。BDレコーダーでもMPEG-4 AVCエンコーダー「UniPhier」(ユニフィエ)の実力の高さが評判になったが、本機に内蔵されているビデオカメラ向けUniPhierの実力の高さをしっかりと実感できた。
ユニークだったのがDMX-HD1010。全体にややソフトな印象があるものの動き自体はなかなかがんばっている。ただし、転送レートは9Mbpsと他社製品に比べて高めである。さらに解像度も1280×720ドットと低い。記録時間はそのぶん短くなるが、動きのクオリティーを重視しているようだ。
動いている部分と静止している部分の精細感の差が少ないため、不自然さがない。スポーツ撮影のための長時間モードとしては実用的な設定だと思う。
寸評 | |
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キヤノン iVIS HG21 | (LPモード、1440×1080ドット、約5Mbps)MXPモードに比べると動画が不明瞭に感じがち。それでもブロックノイズなどはあまり目立たない。 |
日立 DZ-BD10H | (HSモード、1440×1080ドット、約7.5Mbps)やや映像が甘く感じられ、遠景のディテールも潰れがちになってしまう。 |
ソニー HDR-SR12 | (LPモード、1440×1080ドット、約5Mbps)解像度感に不足はないが、やや細かい模様がざわついたように感じた。噴水の水面などの動きもやや不明瞭だ。 |
パナソニック HDC-HS100 | (HEモード、1440×1080ドット、約6Mbps)動いた部分でやや映像が甘くなりがちだが、ノイズのようには感じない。背景の微妙なボケ感も優秀。 |
サンヨー Xacti DMX-HD1010 | (HD-SHQモード、1280×720ドット、約9Mbps)やはり解像度が低くなったように感じるが、ノイズの発生も少なく、動きも明瞭だ。 |