ファイル名の意味を薄くする、ビジュアルなファイル操作
quanpの大きな特徴は、ファイルをビジュアルに扱える点にある。Webストレージ上では、しばしばファイル名だけがファイルを識別する手がかりになるが、quanpは専用クライアントを使うことによって、3Dによるビジュアルなファイル管理を可能とする。
クライアントソフト「quanp.on」をインストールしてユーザー登録を済ませてしまえば、あとはファイルをアップロードするだけなのだが、これはドラッグ&ドロップで行える。quanp.onを起動すると、最初に表示されるのは「マップ」と呼ばれるマス目に区切られた画面だ。マス目のひとつひとつは「プレイス」と呼ばれ、言ってみればフォルダの役割を果たす。プレイスをグループ管理するのがマップの横軸=「レイヤー」で、たとえば、デフォルトで用意されている「お気に入り」レイヤーには「Home」というプレイスが用意されている。
次に紹介するのが、quanpの真骨頂である3D表示である。回転させることはできないものの、サムネイルに対してズームイン/アウトが可能なので、操作を直感的に行える。また、時系列で並べらているので、どんどん時間を遡ってスクロールすることも可能だ(テレビ番組「ベストヒットUSA」のオープニングを想像されたい)。写真ファイルだけではなく文書ファイルもサムネイル表示してくれるのも、便利である。
検索 やっぱりquanpは、Web上に置いたHDDそのものだ
そのほかquanpで便利な機能としては、検索が挙げられる。最大100GBを誇る容量ならば当然備えていてもらわねば困りはするのだが、これも、ファイル内の文字列をサーチする「キーワード」検索をはじめ、拡張子、ユーザーが付けたタグ、ファイル作成者での検索も行えるようになっている。さらにプレイスや日付の指定によって検索範囲を絞り込むことも可能だ。
先日はMicrosoft Office(2003/2007)単体でのアップロードアドインも発表したquanpだが、今後もますます機能の充実を図っていくことだろう。もしかしたら既に、OSよりも使いやすいストレージになってしまっているかもしれない。ローカルでの使いやすさと、Webストーレージの利点の双方を持ったサービスとして、まずは無料のTrialから使ってみてもいいだろう。
記事公開当初、価格と容量に間違いがございました。読者の皆様をはじめ、関係者各位にご迷惑をおかけいたしましたことを、お詫び申し上げます。(2008年7月15日)