実務経験(実績)を活用する戦略 -コアコンピタンスの確認-
さて、これまで資格を活用する戦略について話をしてきましたが、多くの人が“違和感”を抱くのではないでしょうか。
「いくら市場価値が高いといっても、資格だけで収入アップできるの?」「自分は、資格を持っているけど、そんな夢みたいな話実感できないよ」など。
そう思うのも当然です。一般的に、戦略を立案する際にはコアコンピタンス(他人と差別化できる自分自身の最大の強み)を明確にしますが、“資格”だけではコアコンピタンスになりえないからです。
資格は“トリガー(引鉄)”には使えても、決して“弾”になることはありません。
それどころか、それ相応の実力がなければ逆効果になることさえあります。資格が役立つといっても、履歴書に書いたり、名刺交換時に話題にされたりする程度のものです。
本当に重要なのは“実務経験(実績)”です。資格は、(その知識を使った)実績があってはじめて機能するので、Highリターンを狙った戦略を立案する際には、“資格”だけではなく“実務経験(実績)”の伴ったものだけを、自分のコアコンピタンスに設定するようにしましょう。
例1
<資格>
プロジェクトマネージャ、PMP(Project Management Professional)取得
<実績>
プロジェクト(○○人月)のプロジェクトマネジメント 成功(顧客の声や、会社からの表彰など顧客満足度を証明する方法を添付)
例2
<資格>
MCSE、OracleMaster Plutinum 取得
<実績>
データベース設計(全体で○○人月のPJ、うち自分の作業○○人月) (現在稼働3年目、拡張性を考慮した設計のため、データベースの大規模な設計変更な
し。具体的に、拡張性については……)
なお、実務経験のほうが重要だといっても、それだけでもコアコンピタンスにはなりえません。これだけ資格が多い環境にいるSEにとって、実績があるのに資格を持っていないということも“不自然”だと見られてしまうからです。
人脈を活用する戦略 -コアコンピタンスを活かす市場の確認-
最後に“人脈”について考えてみましょう。いくらいい“シーズ(種)”があっても、“市場にニーズ”がなければ戦略は実現しません。これまで見てきた“資格”と“実績”というコアコンピタンスは、シーズです。それをぶつける“市場”と“ニーズ”があってはじめて、Highリターンの戦略が立てられるというわけです。 したがって戦略を立案する際には、この“市場”と“ニーズ”は、これからも開拓を続けていくことになりますが、現時点の資産で考えると“人脈”になります。自分の強みを活かす“市場”と“ニーズ”があるかどうかを、これまでの人脈という資産と合わせて考えましょう。
例1の発展形
<資格>
プロジェクトマネージャ、PMP(Project Management Professional)取得
<実績>
PM(プロジェクトマネージャ)としての実績~
<市場とニーズ>
誰に、この能力をアピールできるか? 誰がこの能力を買ってくれるのか?
(次ページへ続く)
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