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全チャンネル録画機「SPIDER zero」のツボ

2008年07月07日 16時00分更新

文● チバヒデトシ

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SPIDERの真価はハードウェアではない


 ここまでの説明でも、SPIDER zeroがこれまでの録画機にはない発想で作られた製品だと理解できるだろう。しかし、単にすべてのチャンネルを録画できる機材が欲しいのであれば、自作パソコンに多めのHDDを積み、ダブルチューナーカードを4枚差せば、似た機能が実現できるかもしれない。メーカー製でも、例えば、過去にソニーから発売された「Xビデオステーション」(関連記事)のように、全チャンネル録画をうたった製品があった。

Xビデオステーション

Xビデオステーション

 実は、SPIDER zeroが本当に優れた部分はハードウェアではない。

 SPIDER zeroを特徴ある製品に仕上げているのは、それを支えるソフトウェア(さらにいえばインターネットを通じて提供されるサービス)にある。そのため法人向けのProを含めて、SPIDERの使用にはインターネットへの接続(有線LAN)が必須だ。

 PTPが用意した優れた番組表と、使いやすく動作も軽快なインターフェース、そして、多角的に利用できる検索機能が揃って初めてSPIDERは真価を発揮する。これがSPIDERの最大のウリであり、他の製品にはない魅力につながっている。以下、5つのポイントでその素晴らしさを見ていこう。



【ポイント1】録り逃さない、見逃さない

 筆者は法人向けのSPIDER Proを長らく使ってきたが、番組を録りっぱぐれる心配がまったくなくなったのは嬉しい。例えば、NHKと東京地区の民放キー局を合わせた7チャンネルを録画した場合、保存期間は約8日となる(2.5TBモデル、画質を標準の3.0Mbpsに設定した場合)。

SPIDERの番組表

7チャンネル設定の場合の番組表

 絶対にテレビを見ない時間帯(や子供のいる家庭で教育上好ましくない番組が多い時間帯)がある人は、その時間を記録しない設定も選べる。そうすれば、保存可能な日数はさらに増える。

 SPIDERの特徴は、このように一週間遡ってすべての放送が見られ、「録り忘れ」が一切なくなる点だが、これだけではない。SPIDERは「録り逃す」だけでなく「見逃す」ことも死語にしてしまうのである。おかげで筆者はいまでは録画する、という行為そのものをすっかり忘れてしまった。

いつも見る

「いつも見る」は番組のTo Doとも言える機能。番組表で指定すると、トップメニューの「いつも見る」メニューの下に該当する番組の一覧が表示される

 筆者がよく利用している機能に「いつも見る」がある。これはいわば「番組のTo Doリスト」である。例えば毎週(毎日)何となく見ているが、忙しくなると観るのを忘れてしまう番組はないだろうか。情報番組やニュースなど、わざわざ予約録画するほどではないが、一応は内容を押さえておきたい番組もあるかもしれない。

 そういう番組をいつも見るに登録しておけば、忙しい時期でも欠かさず番組のチェックができる。しかも、不要な部分は早送りできるので、リアルタイムで視聴するより圧倒的に効率がいいのだ。

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