AMDのクアッドコアCPU「Phenom X4」シリーズ最上位モデルとなる「Phenom X4 9950 Black Edition」(以下:X4 9950 BE)、そして省電力版となる「Phenom X4 9350e」(以下:X4 9350e)、「Phenom X4 9150e」(以下:X4 9150e)の3製品が発売となった。
![]() |
|---|
| AMDのクアッドコアCPU「Phenom X4」シリーズ最上位モデルとなる「Phenom X4 9950 Black Edition」と「Phenom X4 9150e/9350e」 |
X4 9950 BEはX4 9850 BEの、X4 9350eは9100eのクロックをそれぞれ引き上げたモデルとなる。X4 9150eはX4 9100eのステッピングをB2からB3に変更したモデルで、クロックやキャッシュ容量などは同じとなっている。クロックの向上やステッピングの変更以外に大きなトピックのない今回の新CPUだが、あえて挙げるとすれば9950 BEはTDP 140WというシングルCPUとしては現在発売されているものの中で最大級となる点が大きなトピックだろう。
型番的にラストとなる“X4 9950 BE”
では個々のCPUについて、もう少し掘り下げてみよう。まずはX4 9950 BEだが、4桁の型番としては恐らくこれが最後となる9950に到達している。モデルナンバーとはいえ、ライバルとなるIntel Core 2 Quadシリーズを意識している型番だったPhenomだが、9950という最後の型番を使ってしまった以上、次のモデルは新しい法則のモデルナンバーが必要となる。あるいは新しいブランドになるのかもしれない。
![]() | ![]() | |
|---|---|---|
![]() | 今回テストで使用したCPUをCPUID V1.45で見てみた。X4 9950 BEとX4 9850 BEの差はCPU倍率と動作クロックのみで他は全く同じだ。X4 9350eはHTクロックこそ1.8GHzだがステッピングなどはX4 9950 BEと同じ | |
X4 9950 BEとX4 9850 BEの大きな違いは動作クロックだ。X4 9850 BEが2.5GHzだったのに対し、X4 9950 BEは0.1GHzクロックが上がり、2.6GHz動作となる。またHyperTranceportのクロックもX4 9850 BEと同じ2GHzだ。
そして前述したようにTDPが125Wから140Wへと引き上げられている。これまで使ってきたPhenom X4/Phenom X3を考えると、そこまで熱いのか?という疑問もあるのだが、この点については後半の消費電力と温度の考察にて述べたい。
なおTDP 140Wということもあり、対応マザーボード、そして対応BIOSが必要となる。この点に関しては各マザーボードメーカーはすでに対応リストを公開しており、もしX4 9950 BEを載せるのであれば、事前に確認しておきたい。対応リストについてはこちらの記事の最後で関連リンクを掲載しているので参考にしてほしい。
| モデルナンバー | X4 9950 BE | X4 9850 BE | X4 9350e | X4 9150e | X4 9100e | X3 8750 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ステッピング | B3 | B3 | B3 | B3 | B2 | B3 |
| 動作クロック | 2.6GHz | 2.5GHz | 2.0GHz | 1.8GHz | 1.8GHz | 2.4GHz |
| コア数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 |
| HTクロック | 2GHz | 2GHz | 1.8GHz | 1.8GHz | 1.8GHz | 1.8GHz |
| 2次キャッシュ | 512KB×4 | 512KB×4 | 512KB×4 | 512KB×4 | 512KB×4 | 512KB×3 |
| 3次キャッシュ | 2MB | 2MB | 2MB | 2MB | 2MB | 2MB |
| TDP | 140W | 125W | 65W | 65W | 65W | 95W |
| 製造プロセス | 65nm | |||||
| パッケージ | Socket AM2+ | |||||
| 実売価格 | 2万9800円 | 2万7800円 | 2万5000円 | 2万1800円 | 2万1000円 | 2万1800円 |
一方、今回一番の目玉はX4 9950 BEではなく、X4 9150eだろう。TDPはPhenomでありながら65W、動作クロック 1.8GHzはやや物足りない印象だが、実売価格で2万2千円前後と手を出しやすい「クアッドコアCPU」となっている。この価格帯には3コアのPhenom X3 8750(以下:X3 8750)があるわけで、動作クロックの高いX3 8750か、あるいはコア数の多いX4 9150eか?という悩ましい選択を強いられることになる。
同じく省電力モデルとなるX4 9350eだが、こちらもTDP 65Wと低く抑えられており動作クロックは2GHzとなっている。X4 9150eとのクロック差は0.2GHzだが、価格は4~5千円ほど高く、買い得感はやや薄い点が残念だ。
![]() | ![]() | |
|---|---|---|
| 「Phenom X4 9950 Black Edition」。OPNは“HD995ZFAJ4BGH” | 「Phenom X4 9350e」。OPNは“HD9350ODJ4BGH” |
ベンチマーク テスト構成
今回借用できたCPUはX4 9950 BEとX4 9350e。比較用CPUとして、X4 9850 BEと、X3 8750をそれぞれ用意した。X4 9850 BEはX4 9950 BEがどれほど性能向上しているのかを比較するため。そしてクロックで勝るX3 8750、コア数で勝るX4 9350e、一体どちらがお買い得なのかを見てきたい。X4 9150eは用意できなかったが、X4 9350eのスコアからおのずと結果は見えてこよう。テスト環境は以下の通り。
| テスト環境 | |
|---|---|
| CPU | AMD「Phenom X4 9950 BlackEdition」(2.6GHz) AMD「Phenom X4 9850 BlackEdition」(2.5GHz) AMD「Phenom X4 9350e」(2.0GHz) AMD「Phenom X3 8750」(2.4GHz) |
| マザーボード | MSI「K9A2 Platinum」(AMD 790FX/BIOS Ver.140) |
| メモリー | GeIL「GB24GB8500C5QC」(DDR2-1066 1GBx2) |
| ビデオカード | ASUSTeK「EN8800GTX/HTDP/768M」(GeForce 8800 GTX/メモリ 768MB) |
| HDD | HGST「HDP725050GLA360」(500GB SerialATA) |
| OS | Windows Vista Ultimate SP1 |
| グラフィックドライバ | ForceWare 175.19 |
![]() | ![]() | |
|---|---|---|
| 「AMD 790FX」チップセットを搭載したMSI製のマザーボード「K9A2 Platinum」 | メモリはGeIL製のDDR2-1066 1GB×2枚を使用した |
CPUアーキテクチャ的に変更点が少ないため、今回は主にCPU系のベンチマークで見ていくこととした。
テストは「3DMark06」のCPUテストと3DMarkスコア、「3DMark Vantage」のPerformanceモードでのCPUスコア、「CineBench R10」の1CPUおよび4CPUでのレンダリングテストとOpenGLのテスト、「Sandra XII」のProcessor Arithmetic、「Superπ」による104万桁のテスト、最後にロストプラネット エクストリームコンディションのパフォーマンスモードにてSnowとCaveの結果をお伝えする。
(次ページへ続く)
この特集の記事
- SATA2の新定番!? 「Intel SSD 320」の実力をチェック
- 6000シリーズのミドルレンジ「Radeon HD 6790」を試す
- 「GeForce GTX 590」は最強GPUの座を奪い返せるのか?
- Intel初のSATA3.0対応SSD「Intel SSD 510」の実力は?
- AMDの「Fusion APU」は省電力PCの救世主となるか?
- 「GeForce GTX 560 Ti」――9年ぶりに復活した“Ti”の底力とは?
- 内蔵GPUの存在を大きく変える「Sandy Bridge」の性能とは?
- 新アーキテクチャのRadeon HD 6900シリーズの実力は?
- 「GeForce GTX 570」は、480より性能が向上しているのか?
- 「Phenom II X6 1100T BE」と「X2 565 BE」はどれだけ速い?






















