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キャリア・ピックアップ 第51回

Ruby会議レポート

技術者のチャンス、今ちょうどその時

2008年07月02日 04時00分更新

文● 塩田紳ニ

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Rubyコミュニティのイベントである日本Ruby会議2008が、6月20日~22日に、つくば市のつくば国際会議場で開催された。ここでは、キャリアという視点から、初日(0th Dayと呼ばれる)の「対談『まつもとゆきひろ×最首英裕』 ~Rubyを仕事に2008~」の模様をレポートする。対談は、Rubyの開発者であるまつもとゆきひろ氏と、株式会社イーシー・ワンの代表取締役社長(CEO) 最首 英裕氏の間で行なわれた。まつもと氏については、何回も登場しているので改めて紹介するまでもないだろう。一方最首氏の会社は、受託ソフトウェア開発にRubyを利用している。

Ruby会議
Ruby会議

「日本Ruby会議2008」の会場。写真右の左からまつもとゆきひろ氏、最首英裕

Rubyで仕事をすることのメリット

 イーシー・ワンは、当初Javaでソフトウェア開発を行なう企業として1998年にスタートした。Rubyには3年前から取り組み始めたという。理由は「Javaでは、お客さんの間尺に合わない」ことがあったからだという。Ruby導入のメリットの1つは、いわゆるアジャイル開発で、ロジックをすぐに実装して試すことができる点だ。このため、お客さんに早い時期からモックアップ(プロトタイプ)を提示することができる。

 Javaでも規模の小さいものならば同様のことは可能だが、ある程度の大きさになると難しくなるのだ。見せるのは、モックアップにしかすぎないが、議論の手がかりとなり、デザインや機能を話し合いながら詰めていけるという。

 もう1つ、驚いたことに、Rubyを採用すると社員が喜んだという。中にはRubyを使いたいと思っていた開発者もいたようだ。とりあえず、Rubyの教育チームを作ったが、実際には、このチームの教育から開始する必要があった。しかし、今ではこの教育チームが社員教育を行ない、170人いる開発者のうちの8割ぐらいがRubyを修得しているという。

 また、最首氏は、Ruby Bisiness Commons(RBC)を立ち上げ、Rubyによる企業向けシステム開発のノウハウを公開しはじめた。これは、同社にとっては、「投資」であり、さまざまな人がここに集まって、いろいろなノウハウや情報が出てくることを期待しているという。このRBCの参加者は、7割がエンジニアだが、デザイナーやコンサルタント、企画職、営業職などもいるという。

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