ポイント制度のウラ話
多くの家電量販店で実施されているポイント制度。販売価格からポイント分を差し引いた金額では、ほかの販売店の現金値引きを下回ることも多い。消費者からすれば100%有利に見えるが、必ずしもそうとも言えない。その理由は2つある。
1つ目は、ポイントを使わなければ単に高く買ったのと同じだということ。大抵の場合、ポイントには有効期限があり、一定期間その店で買い物をしなければ消滅してしまう。せっかくポイントを稼いでも、結局使わずに消えてしまった、なんてことがあったら最悪だ。
2つ目は、ポイントは原則としてそのお店での買い物にしか使えないということ。使い道がなければ、いくらポイントをためてもメリットはない。具体的に言えば「欲しい」&「適正価格」の2つが揃って初めてメリットになる。そうでなければポイントをためていくより、単純な値引きを選ぶ方がずっとお得だ。
薄型テレビ+BDレコーダー、ポイントを使わなければ1万8000円の得?!
続いてポイントを有効に使うテクニックだ。あなたが実際にBDレコーダーを買うときのことを想像してほしい。あなたは30万円の薄型テレビを買ったばかりだ。そのときのポイント還元率は20%で、6万円分のポイントがたまっている。店員が、10万円するBDレコーダーを同時に買ってはどうかと勧めてきた。
このときテレビとBDレコーダーを別々に会計すれば、薄型テレビのポイント6万円分を使いきり、4万円でBDレコーダーを買える。あなたは「ハイビジョンのセットで得な買い物をした」とホクホク顔で帰っていくことだろう。
だが、ちょっと待ってほしい。このときBDレコーダーのポイント還元率が20%だったとすれば、BDレコーダーを買ったときにも2万円分のポイントがたまるのだ。するとポイントは合計で8万円分となる。
ポイント使用時と非使用時、どっちがお得? | |||||
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現金支払い額 | 使用ポイント | 獲得ポイント | ポイント残額 | 実質支払い額 | |
使用時 | 34万円 | 6万円分 | 6万8000円分 | 8000円分 | 33万2000円 |
非使用時 | 40万円 | 0万円分 | 8万円分 | 8万円分 | 32万円 |
見落としがちだが、ポイントで買ったものにポイントはつかない。単純に言えば、ポイントを使ったことで6万円分のポイントを損していることになる。どうせポイントを使うのであれば、ゲームソフトやiPodなど「ポイント還元の少ないモノ」を買うときの「足し」として使うのが、ずっとお得になるわけだ。
また、ポイント還元額は、同額の値引きと同じではない点も注意。ポイントで還元された場合、次の買い物でポイントが付かず、かつ使える店も限定されるためだ。一律10%のポイント還元の店であれば、次の買い物で得られるポイント(10%×10%=1%)ぶんを差し引いて、実質的に9%の割引と考えたほうがいい。
いまや、すべての値段は自分が持っている情報の量で決まると言ってもいい。インターネット、交渉、クチコミ、すべての情報ツールを駆使し、少しでも「お買い得」なBDレコーダー探しを目指してほしい。
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