――SPIDER PROは、本来ならコンシューマこそが使うべき性質のものだと思いますが、なぜ法人向けオンリーなのでしょう?
有吉:まず、私どもは製造メーカーではなく、資金力もないベンチャーで、大規模なプロモ-ションを行なう事はできませんでした。もうひとつはテレビを取り巻く、広告やマーケティングの環境の変化という事があります。
私はマーケティング分野のコンサルタントをやっていたのですが、90年代なかばから、マーケティングをコントロールするのが、メーカーから販売側に主導権が移ってきたと感じていました。例えば、コスメティクスなら、それまで大手メーカーが莫大な広告宣伝費を使って販売店の店頭を飾ってきましたが、ドラッグストアの台頭によるチェーン・オペレーションでそれが変わってきました。Webもロングテールの世界を作っていきました。そこで最後の砦であるテレビでどうやって情報を伝えていくかは今後、非常に重要な部分になると考えていました。これまでのやり方は変化しますから、常に何が正しいのか効果検証をしながら、試行錯誤を行なう必要がある。言い換えると、いくらかけていくら売れるのか、という事を常にチェックをし、把握する検証可能性がマーケティングにとって大事になる。そこで、SPIDER PROが役立つわけです。
――実際にはどういったところがSPIDER PROを導入しているのでしょう?
有吉:ディズニーや資生堂、コカ・コーラ、キヤノン、ヤフー、楽天など、130社以上の法人にご導入いただいています。6割が広報、2割が宣伝、残りの2割がマーケティングの部門にお使いいただいています。中にはエイベックス・グループ・ホールディングスのように何台も導入いただき、積極的に活用いただいている所も少なくありません。