資格取得でNoリスク・Highリターン 第3回

第3回　20代が先行くためのポートフォリオ・前編

お勧めプログラム言語系以外

　プログラム言語系以外の資格も紹介しておきます。

　基礎スキルを充実させ地力を付けるためには、プログラム言語に加えて、OS、データベース、ネットワークの知識が必要になります。20代のうちは、まだまだシステム全体をデザインしたり、管理することも少ないと思いますが、まだ必要性の乏しいこの時期に基礎知識をつけておけば大きな力になります。特に最近は、経営に“内部統制”や“セキュリティ”が深く関与しているので、経営に関与する年代になったとき、システム全体について少しも“知らない”ではお粗末でしょう。

●OS系の取るべき資格

OS系の二大勢力は、Microsoft系とオープンなLinux（UNIX）系です。

■Microsoft認定資格（MCP）の「MCSE」
　言語系のところで説明したMCSDでも十分ですが、Windows Server系「Windows 2003」「Windows 2007」「Windows 2008」などを取得し、そこからMCSEへとつなげていくのもいいでしょう。
（http://www.microsoft.com/japan/learning/mcp/mcse/）

■LPIC
　ベンダーニュートラルなLinuxに関する資格です。Microsoft Windows、Mac OS、Linuxとそれぞれ別物のように見えますが、根っこではつながっています。その根っこの部分を学ぶのに適しているのがLinuxだと思います。いまや、抵抗なく利用されるようになってきたオープンソースの技術にも触れておきたいですね。まずはLEVEL1を。
（http://www.lpi.or.jp/）

●データベース系

　組み込み系を除き、企業の業務システムに携わっているSEならデータベースを扱ったことのないSEはいないはず。もはや独立した分野を確立しました。その資格には次のようなものがあります。

■Oracle認定資格「OracleMaster」
　データベースといえばOracle。これも老舗の資格と言えます。製品バージョンごとに資格は分かれていますが、最近の製品ではブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと4段階に分かれています。データベースを扱うものはシルバーを、そうでない基礎固めにはブロンズを目指しましょう。
（http://education.oracle.com/）

■Microsoft認定資格（MCP）の「MCDBA」
　Microsoft系のデータベースに関する分野で、データベース単体の資格としてSQL Server関連の「MCP」、その上位資格として「MCDBA」が用意されています。Microsoft製品に関与しているならばこちらでしょうか。
（http://www.microsoft.com/japan/learning/mcp/mcdba/）

●ネットワーク系

　最後にネットワーク系のスキルについてもチェックしておきましょう。ネットワークに関する知識は、セキュリティにつながる重要なもの。もはやインターネットが生活の一部になってしまった今、ＩＴのプロには不可欠な分野です。

■Cisco認定資格「CCNA」
　ネットワーク製品の老舗企業Cisco社の提供するプログラムです。ベンダー資格の黎明期より、MCP（Microsoft）、OracleMasterとともに三大勢力を築いてきました。そのプログラムの入門資格がCCNAです。中小規模のネットワーク管理者を想定した基礎知識をつけるにはもってこいの資格です。
（http://www.cisco.com/web/JP/）

　いかがでしたか？　今回は主に、ベンダー資格に焦点を当ててみました。どこの世界でも同じですが、社会人になって数年間は“修行の身”です。基礎の分野は範囲が広いので大変ですが、その価値はあると思います。しかし、最後に言うのもなんですが、ベンダー資格取得のための投資はばかになりません。会社が費用負担してくれればベストですが、そうでなければ少し考え物です。そこで、投資は自己負担という方には、次回お話しする国家資格に目を向けてみて下さい。

三好康之（みよし・やすゆき）

(株)エムズネット代表。SE出身のITコーディネータとして、SIベンダーとの交渉代理、見積もり妥当性チェックなど、利用者側の立場で情報化の支援をしている。また、SEの資格取得支援や執筆活動にも精力的に取り組んでいる。

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