バグ修正や新機能以外の機能追加
XP SP3には、Windows Updateで提供されている修正以外の、いくつかの機能追加も入っている。これらはすでに、単体でも提供されている。代表的な機能は以下のとおり。
- Wi-Fi Protected Access 2(WPA2)
- 無線LANのための新しい暗号化方式をサポートする。WPA2は暗号化方式にAESを採用。さらに、128~256bitの可変長鍵が使用できるようになった。これにより、セキュリティーの強固な無線LANアクセスを行なえる。
- ピア名解決プロトコル(PNRP)2.1のサポート
- Windowsクライアント同士でピアツーピアのネットワークを構築する「Windowsピアツーピア ネットワーク」で、クライアント同士の名前を解決するための仕組み(PNRP:Peer Name Resolution Protocol)をアップデート。
これら機能はいずれも、すでにWindows Updateで提供されている。一般のユーザーにとっては、絶対に必要な新機能という訳でもない(そのほかの機能については以下のとおり)。
- MMC(Microsoft Management Console) 3.0
- OSの機能を管理するツールのアップデート
- MSXML6
- XMLパーサーのアップデート
- Windows インストーラ 3.1 v2
- インストーラのアップデート
- バックグラウンド インテリジェント転送サービス(BITS)
- System Center Configuration ManagerとWindows Live OneCareでデータ転送に使用する機能
- Windows Server 2003とXP向けのIPsec Simple Policy Update
- IPSecの機能を強化
- デジタルID管理サービス(DIMS)
- ドメインに参加しているユーザーが、アプリケーションやサービスの資格情報と秘密キーにアクセスできるようになる
なおXP SP3には、「Internet Explorer 7」や「Windows Media Player 11」などのアプリケーションは含まれていない。これらのソフトはXP SP3とは別に、Windows Updateやダウンロードセンターから入手する必要がある。
XP SP3のパフォーマンスを検証!
多くのXPユーザーにとって気にかかるのは、互換性はもちろんのこと、「XP SP3をインストールするとパフォーマンスがアップするのか?」という点だろう。
今回は米Futuremark社のPC全体の性能を計るベンチマークソフト「PCMark05」を利用して、簡単なベンチマークを計測して、XP SP3前後でのパフォーマンスに差があるのかを検証してみた。用意したハードウェアは2世代ほど古いパソコンだが、筆者がテストマシンとして現役で使っているものだ。
- CPU:Pentium Extreme Edition 840(3.20GHz)
- マザーボード:Intel D955XBK
- メモリー:DDR2-533 2GB
- HDD:160GB(HSGT HDS722516VLSA80)
- GPU:Radeon X700
ベンチマークの詳細な結果は以下のとおりになった。まずはPCMark05の総合値と、選択テストでのCPUやHDDなどの総合値から。
続いて、System Test Suiteの各項目を比較する(XP SP2の結果を1としたグラフ)。
この結果を見ると、XP PS3をインストールしたからといって、パフォーマンスが明確にアップするわけではなさそうだ。トータルのスコアは約0.6%ほどの違いなので、ほとんど誤差と見ていいだろう。
テスト期間の問題で、今回はPCMark05の標準的なベンチマークだけしか行なっていないため、「XP SP2とXP SP3ではパフォーマンスは変わらない」と断言するわけにはいかないが、劇的に変わるということもなさそうだ。