このページの本文へ

中小企業でも世界を相手にビジネスできる

米ネットスイートが「OneWorld」を世界一斉ローンチ

2008年04月19日 01時53分更新

文● Junya Suzuki(鈴木淳也)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

地域ごとのWebサイトもまとめて管理、データはリアルタイムで確認可能に


 ネットスイートは4月16日(現地時間)米カリフォルニア州サンフランシスコで開催した発表会の中で、世界3地域で同時にOneWorldを利用した場合の運用例をデモストレーションを通じて披露した。今回のデモでは日本語で記述された通販サイトの運用例、欧州地域全体を管理するダッシュボードの使用例、米国本社での全社管理の様子が示されている。

 OneWorldは、基本的には従来より提供しているERPやCRM、E-Commerceといったシステムを国際対応向けに拡張したもの。地域に合わせて言語や通貨などの情報を切り替えたり、地域の統括や本社から営業状況を把握するための情報ダッシュボードが用意されるなど、世界規模でビジネス展開を行うにあたって便利な仕組みを取りそろえている。

 システムの特徴は、地域事情に合わせた仕様のカスタマイズがすでに行われている点だ。表示言語のほか、税制、表示フォーマット、注文書の作成など、そのままの状態ですぐに使えるようになっている。

(左)実働デモストレーションでは、まず日本語で記述された通販サイトの例が紹介された。(右)NetSuite E-Commerceを利用したショッピングカートとチェックアウト機能。消費税5%など、地域ごとの税率の違いもシステム側であらかじめカバーする

(左)配送先の指定画面。住所フォーマットも日本の事情に合わせたものとなる。(右)日本支社担当のダッシュボード。売上状況などを確認できる

(左)ドイツ支社担当のコンソールを開いたところ。表示言語がドイツ語になり、貨幣単位はユーロ、Sales Taxも現地のものに調整されている。(右)は今度は欧州地域(EMEA)の統括である英国の担当者のダッシュボード。貨幣単位がポンドに切り替わる

最後に米国本社で全世界の営業状況をダッシュボードを通じて確認できる。先ほどの日本の通販サイトで購入されたテーブルセットの商品データの内容を確認したところ、言語別に説明文が用意されていることがわかる

 製品発表会では実際にシステムを稼働させているユーザー3社の担当者が招かれ、そのメリットについて説明した。どの企業も1年~1年半前まではネットスイートの名前さえ知らないような状態だったが、前述のような「国際展開する中小企業」特有の悩みを解決するソリューションを探していたところ、ネットスイートに突き当たったという。

 特に「すべての機能を包含している」点がユニークで、システムの全体ないし多くをネットスイート製品1つで置き換え可能なところが魅力の1つだ。Domin-8 Enterprise SolutionsのDan Buettin氏は「(買収で急拡大した企業が)システム統合を検討するうえで、ネットスイートは大きな選択肢の1つとなる」とコメントしている。

ネットスイートのローンチ

今回ユーザー企業代表としてKana CAOのJay Jones氏(左)、ABS-CBN CIOのGenemar Simpao氏(中央)、Domin-8 Enterprise Solutions CFOのDan Buettin氏(右)が招かれた

 また、システム稼働までの期間が短い点も特徴だ。もともとSaaS型のアプリケーションは初期導入コストやシステム構築期間がほとんど必要ないが、OneWorldのケースではシステム稼働開始までに6週間を目安としている。月額使用料は1999ドルで、こちらも中小企業にとっては懐事情に優しい設定となっている。


止まらない、SaaS/クラウド・コンピューティングの世界

カテゴリートップへ