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中小企業でも世界を相手にビジネスできる

米ネットスイートが「OneWorld」を世界一斉ローンチ

2008年04月19日 01時53分更新

文● Junya Suzuki(鈴木淳也)

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ネットスイートは4月16日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催した発表会の中で、「NetSuite OneWorld」を発表した。

 ITを武器にビジネスの世界を切り開く企業にとって、情報システムは頼もしい味方であると同時に、その構築や運用は担当者を悩ませる存在でもある。特に急拡大を続ける企業や世界を相手にビジネスを計画している場合など、システムをその時々の要件や地域の事情に応じて調整する作業は苦痛を伴う。

 こうした問題を手軽に解決し、資本力の弱い中小企業であっても世界を相手にしたビジネスを可能にするソリューションを提供しようというのが、米ネットスイートが発表した「NetSuite OneWorld」の目指すゴールだ。


「ITシステムの複雑性を排除、1つのシステムですべてを実現」


ネットスイートのローンチ

米ネットスイートのCEO ザック・ネルソン氏

「今日のITシステムでは、ERPやCRMなど、そのときどきの要求に応じて異なるベンダーのソリューションを採用し、1つのシステムを構築するケースが少なくない」と述べるのは米ネットスイートCEOのザック・ネルソン氏。同氏はシステム同士が複雑に絡み合い、スパゲッティ化した状態で存在している様子を図で表現する。

「これが複数の国をまたぐ場合はもっと事情が複雑だ。それぞれの国では地域のベンダーが得意のソリューションを担当しており、それらを組み合わせることでより複雑性が増す。2~3カ国ならまだいい。ビジネスが拡大して複数国で地域を束ねることになると、もはや特定の担当者がシステム全体を把握することはままならない。かかるコストも膨大で、100万ドル、いや1億ドル規模の投資を要求するようなシステムに膨れあがるだろう」。

 膨大なコストと運用の複雑性は中小企業にとっては大きなダメージだ。特にシステムの複雑性は管理上の問題にもつながり、中小企業本来のメリットである身軽さをも失わせかねない。「こうした課題を解決するのが今回NetSuiteが発表する『OneWorld』 だ」というのが同氏の主張だ。

ネットスイートのローンチ

地域ごとに異なる事情に対応し、本社や地域の統括からはシステム統合により全体の状況の把握を可能にするのがOneWorldだ


地域ごとのWebサイトもまとめて管理、データはリアルタイムで確認可能に

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