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自宅のVistaパソコンをどこでも使える――ホームサーバ「Lui」をNECが発表

2008年04月15日 11時00分更新

文● 編集部 小西利明

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 日本電気(株)とNECパーソナルプロダクツ(株)は15日、ホームサーバ・クライアントソリューション「Lui」を発表した。ホームサーバーPCと専用の「PCリモーター」を組み合わせて、自宅のサーバーPCをインターネット経由で操作できる。発売時期は4月下旬。価格はオープンプライス。

Lui SX
ホームサーバPC「Lui SX」

 Luiは2007年12月に発表(関連記事1)された、NEC独自のホームサーバ&クライアントによる家庭向けソリューションである。PC遠隔操作技術「リモートスクリーンテクノロジ」や、デジタル放送の2番組同時録画を安定して実現する「マルチレコードキャストテクノロジ」など、NEC独自の技術により実現されている。

 製品は、ホームサーバーPCと遠隔操作端末である「PCリモーター」で構成される。ホームサーバーPCには、デジタル放送の視聴・録画機能を備える「Lui SX」シリーズと、一般的なスリムデスクトップにサーバー機能を持つカードを搭載した「VALUESTAR R Luiモデル」の2機種4モデルがラインアップされている。

 リモート端末であるPCリモーターは、10.6インチワイド液晶ディスプレーを備え、ノートパソコン型の筐体をした「Lui RN RN700/1C」と、4.1インチワイド液晶ディスプレーを備えたPDA型筐体の「Lui RP RP500/1C」の2種類が用意されている。

Lui RN RN700/1C Lui RP RP500/1C
PCリモーター ノートタイプ「Lui RN RN700/1C」PCリモーター ポケットタイプ「Lui RP RP500/1C」

PCとレコーダーを完全分離して安定動作


 一般的なデジタル放送視聴・録画機能を持つテレビパソコンでは、デジタル放送に関する機能を拡張カードとWindows上のソフトウェアなどで実現している。しかし、この方式ではテレビ視聴・録画中にはほかのアプリケーションの動作が重くなったり、逆に録画中に処理の重いアプリケーションを動かしてしまい、録画が途切れるといった問題が起こることが多い。そもそも、パソコンがフリーズしている場合はテレビ機能自体がまったく使えなくなる。

 これに対してLui SXでは、筐体内でパソコン部分とデジタル放送レコーダーの機能を完全に分離することで、一方の動作状態が他方に悪影響を与える可能性を排除し、安定した視聴や録画を実現している(詳細は関連記事2を参照)。レコーダー部は独自のCPUとHDDを備えており、上位機種「SX700/1G」は1TB(500GB×2)、下位機種「SX500/1G」は500GBの録画用HDDを内蔵する。パソコン側のHDDは320GB。チューナーは地上/BS/110度CSデジタル放送チューナーと、地上デジタル放送チューナーのダブルチューナー構成となっていて、デジタルハイビジョン放送の2番組同時録画を行なえる。衛星放送の2番組同時録画はできない。また、アナログ放送には対応しない。

 Lui SXはそれ自体で視聴・録画を行なうだけでなく、録画した番組をLAN経由で宅内のほかのパソコンに配信する機能「コンテンツオンデマンド」を備えている。配信技術には一般的なDLNAを使用するため(コンテンツ保護技術はDTCP-IP)、DLNAクライアント機能を持つパソコン用ソフトや、DLNAクライアント機能搭載テレビなどから視聴が行なえる。配信は2番組まで同時に行なえる。


インターネット経由で自宅のサーバーを操作


 Luiの最大の特徴は、遠隔操作技術「リモートスクリーンテクノロジ」による、パソコンの遠隔操作「PCオンデマンド」にある(詳細は関連記事3を参照)。これは、Windowsで古くから使われている遠隔操作技術「リモートデスクトップ」とは異なる、NEC独自の技術により実現されている。

PCリモーターサーバボード
リモートスクリーンテクノロジの機能を提供する「PCリモーターサーバボード」

 ホームサーバーPC内に内蔵された「PCリモーターサーバボード」が、パソコンの画面出力を毎秒30フレーム程度の間隔でキャプチャーし、独自の圧縮を行なって、LANやインターネット経由で遠隔操作端末「PCリモーター」に送出する。画面の表示品質は通信帯域に応じて自動で制御されるほか、PCリモーター側から任意に設定することも可能だ。

VALUESTAR R Luiモデル 省スペース型パソコンにサーバボードを内蔵した「VALUESTAR R Luiモデル」

 PCリモーターは送信された画面をデコードして表示。ユーザーはPCリモーター上で、(遠隔ゆえのレスポンスの差はあるが)パソコンと変わらないWindowsの画面を見ながら操作を行なう。実際にWindowsが動作しているのはホームサーバーPCなので、ホームサーバーPC上のアプリケーションやデータはほぼそのまま使える(コンテンツオンデマンドの映像配信は利用できない)。また、ホームサーバーPCはCore 2 Duo T7200(2GHz)を搭載しているので(Lui SXの場合)、モバイルノートパソコンやPDAよりはるかに高速で、快適なWindows Vista環境を手元で実現できる。

 PCリモーター側にはストレージがなく(データ交換用にSDメモリーカードスロットやCFカードスロットを装備)、操作するデータはすべてホームサーバPC側にあるため、仮にPCリモーターを紛失しても、データ漏洩の危険性は少ない(紛失したPCリモーターからの接続を、サーバー側で無効化できる)。

 ホームサーバPCに接続して操作できるPCリモーターは同時に1台だけ。また、PCリモーターがホームサーバPCを使っている間は、他のユーザーが直接ホームサーバPCを使うこともできない(番組配信は可能)。


ノートとPDA型の2種類のリモーター


 PCリモーターは、前述のとおりノートパソコン型とPDA型(ポケットタイプ)の2種類が用意されている。いずれも有線LANとIEEE 802.11b/g 無線LAN機能を内蔵する。屋外でホームサーバPCに接続する場合は、無線LANを用いることを想定している。HSDPAなど携帯電話系の通信機能は備えていない。

 PCリモーター自体はパソコンではなく、ホームサーバPCの画面を手元で表示し、ユーザーのキーボードやポインティングデバイス操作をホームサーバPCに送出するだけの端末である。そのため小型軽量化が可能で、ノートタイプの場合、重さは約649gと軽量ながら、バッテリー駆動時間は約4.6時間を実現している。ポケットタイプは重さ約249gで、約5.4時間のバッテリー駆動時間となっている。

 ノートタイプは10.6インチワイドサイズで、1280×768ドット(WXGA)の液晶ディスプレーを備えている。WXGAサイズの画面により、一般的なノートパソコンと変わらないWindows操作を実現している。ポケットタイプは4.1インチワイドサイズ、800×480ドットの液晶ディスプレーを備える。小さな画面でもWindows Vistaを操作できるように、画面全体を縮小して表示したり、ユーザー指定した領域を縮小せずに表示するといった機能を備えている。また、アプリケーションのウインドウサイズをポケットタイプの画面サイズに合うように、ワンタッチでサイズ変更する機能も持つ。

 インターネット経由でのPCリモーターとホームサーバPCの接続には、独自の「メール交換方式」を採用しており、サーバー側で固定IPアドレスやダイナミックDNSサービスなどがなくても、互いのIPアドレスを交換して接続できる。接続操作自体は簡単で、パスワード入力程度の操作しか必要ない。通信にはVPNを使用するため、通信内容が漏れる恐れはない。PCリモーター単独でも、内蔵ブラウザー(Internet Explorer)によるウェブブラウジングなどが可能。

 通信に必要なネットワークの帯域幅は、最低でも1Mbps程度とされている。そのため、サーバー側の回線はADSLでは厳しく、実用的に用いるには光回線による接続が必要となるだろう。

 ホームサーバPCとPCリモーターの主な仕様と価格は以下のとおり。予想実売価格は、ホームサーバPCのSX700/1Gが約39万円前後、VALUESTAR R Luiモデルの「VR970/MG」が約30万円前後。PCリモーターは、ノートタイプが約10万円前後、ポケットタイプは約6万円前後と想定されている。

 なお、Luiの詳細と関連インタビューはこちらの記事を参照のこと。

ホームサーバPC

Lui SX SX700/1G
CPU:Core 2 Duo T7200(2GHz)|メモリー:DDR2-667 2GB|グラフィックス:Mobility Radeon HD 2600
ディスプレー:付属せず|HDD:320GB+1TB|光学ドライブ :記録型BDドライブ|TV機能:地上/BS/110度CSデジタル放送×1、地上デジタル放送×1
サイズ:幅430×奥行き360×高さ180mm| 重量:約15kg|OS:Windows Vista Home Premium SP1
予想実売価格:約39万円前後
SX500/1G
HDD:320GB+500GB|光学ドライブ :DVDスーパーマルチドライブ| 重量:約14kg|それ以外の主な仕様はSX700/1Gと同等
予想実売価格:約34万円前後

VALUESTAR R Luiモデル VR970/MG
CPU:Core 2 Quad Q6600(2.40GHz)|メモリー:DDR2-667 2GB|グラフィックス:GeForce 8400 GS
ディスプレー:19インチワイド 1440×900ドット|HDD:500GB|光学ドライブ :記録型BDドライブ
サイズ:幅90×奥行き388×高さ372mm| 重量:約11kg|OS:Windows Vista Home Premium SP1
予想実売価格:約30万円前後
VR500/MG
CPU:Core 2 Duo E4500(2.20GHz)|HDD:320GB|光学ドライブ :DVDスーパーマルチドライブ|それ以外の主な仕様はVR970/MGと同等
予想実売価格:約22万円前後

PCリモーター

ノートタイプ Lui RN RN700/1C
ディスプレー:10.6インチワイド 1280×768ドット|無線通信機能:IEEE 802.11b/g
サイズ:幅258×奥行き199×高さ23.9mm| 重量:約649g|バッテリー駆動時間:約4.6時間
予想実売価格:約10万円前後
ポケットタイプ Lui RP RN500/1C
ディスプレー:4.1インチワイド 800×480ドット|無線通信機能:IEEE 802.11b/g
サイズ:幅142×奥行き80×高さ22mm| 重量:約249g|バッテリー駆動時間:約5.4時間
予想実売価格:約6万円前後

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