今年4月に鳴り物入りでデビューしたNECの「Lui」。「ホームサーバPC」の画面を「PCリモーター」に表示し、外出先でもそのまま操作できるという「PCオンデマンド機能」に興味をそそられた人たちも多いのではないだろうか。
外出先でPCを使いたいという人のすべてが、家のPCとデータを同期したり、いろんなツールやTipsを駆使して同等のモバイル環境を構築するのが好きというわけではない。正直そういうのはめんどくさいという人に向けた製品がLuiだと言えるだろう。
また、そもそもノートPCは重くて持ち歩きたくないという人たちも多い。海外出張などで、ホテルにノートを置いておくのは物騒なので持ち歩いたはいいが疲労困憊という経験はないだろうか。Luiなら、ノートタイプのPCリモーターでも重量は約649g。流行りのNetbookやUMPCと比べても半分程度の軽さは魅力だ。実際に持ってみると、その軽さに驚かされる。
ただ、登場から半年。Luiユーザーに不満はないかというと、どうもそうではないようだ。NECでは、ユーザビリティ向上のために10月から無償アップグレードの提供を開始した。
マウスの遅延が気にならなくなる!
ユーザーの不満点のひとつに「マウスの反応が鈍い」「ネット遅延があるとマウスポインターの位置がズレる」というものがあるそうだ。通信環境に依存する部分でもあり、完全にタイムラグをなくすことは難しいわけだが、NECではこの問題について、全く別のアプローチで操作性の改善を図っている。それが「ターゲットポインタ」機能だ。
これはPCリモーター側でもマウスポインター(ターゲットポインタ)を表示するというもの。このターゲットポインタはネット回線の遅延の影響は受けないため、ユーザーの操作どおりに表示される。サーバー側のマウスポインターはターゲットポインタに追従する形となる。そのため、サーバー側のマウスポインターが回線遅延の分遅れても、それをあまり気にすることなく操作ができる。
実際に操作してみると、ターゲットポインタを自然と意識するので、違和感を感じることはほとんどなかった。ターゲットポインタは形状、大きさ、色を選択できるので混乱することなく使えるだろう。
大きな方のカーソルがターゲットポインタ。サーバー側のマウスポインターは手の形の小さな方だ。重なっていることが多いが、大きく動かした際など、ターゲットポインタに少し遅れてマウスポインターが追従していることがわかる。
ターゲットポインタはノートタイプのPCリモーターの機能だが、ポケットタイプのPCリモーターについても、画面左横のカーソルスティックの機能をアップし、キーボードを収納した状態での操作性を改善しているとのことだ。