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Baidu.jpは、日本でも受け入れられるか?──百度取締役に聞く

2008年03月20日 09時00分更新

文● 高橋暁子

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著作権が守られないとインターネットは面白くなくなる


 中国百度は、MP3検索が海賊版流通を助けたと、昨年レーベル会社数社から著作権法違反で訴えられている(関連記事)。

MP3検索

中国向けサービスで提供されている「MP3検索」

 これについて舛田氏は、「百度は検索エンジンなので、サーバーの中に動画コンテンツや音楽ファイルを収納しているわけではない。見出しを自動的に集め、インデックス化しているだけ。YouTubeやニコニコ動画のようなサイトとは基本的な立ち位置がまったく違う」と説明した。

 一方で「色々な意味でものを作ってくれる人がいないとインターネットは楽しいものではなくなるので、権利は侵害されないようにしていかなければならない」とも考えている。

 サービス内容については、日本の法律にしたがうスタンスを取る。ちなみに、中国には検索エンジン用の法律がすでにあり、「検索エンジンは公的性を高く持っているため、著作権違反については、数時間以内に誠意を持って対応すれば基本的には問題ない」とされている。

動画検索

動画検索。マウスカーソルを合わせると画像の角度が変わるなどインタラクティブ性の高さを意識したインターフェースになっている

 ただし、申請の数が多いと当然処理が間に合わなくなることもある。正当な著作権者ではない人から申請がくることもあり、申請者が正当かどうか調べるのにも時間がかかる。このため削除までに時間がかかりがちだという。日本でもそれは同じだ。中国では、すでにEMIなどの大手会社と検索エンジンありきの新しいビジネスモデルを考えているそうだ。

 Baidu.jpが日本で今後どんなサービスを出していくかに関しては、ユーザーのニーズと市場環境によるという。今回出したのは「ウェブ」「画像」「動画」「ブログ」の4つであり、それ以外は検討中だ。



ユーザーにとって価値あるものを上位に


 百度の検索アルゴリズムは、サービス開始当初はリンク構成などを分析した結果に重きを置いていたので、概念としてはGoogleのページランクに近かった。

 「基本的な考え方として、ユーザーに対して価値のある結果を上位に出したいという思いがある。お金を払ってSEOコンサルタントに頼み、順位を意図的に上げるなどの行為が行なわれているが、ユーザーニーズからみると疑問が残る。いいとは決して思わない。ユーザーが結果を見てこれは違うというのは悪いSEOで、正しいと思うのは良いSEO。悪いSEOはほとんどの場合が意味のないリンク先を作った静的なものが多い」

 現在の百度では、ユーザーがサイト上でどう行動したか、クエリーをどうしたかなど、ユーザー行動に重きを置いたアルゴリズムを用いている。

 「コミュニケーションをとる上で、人間なら、コップ、グラス、湯飲みはほぼ同じものととらえるが、コンピューターはそうとらえられない。そこで百度では、『コップも湯飲みも同じ』と意味をきちんと認識した上で、インデックスにフィードバックして検索結果に反映させている。人間はサイトを見ても、ここが大事でここは広告ということが分かるが、コンピューターは分からない。そこで、人間が見た時のように、どこが大事かを視覚的認識をして検索に生かしている」

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