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石井裕の“デジタルの感触” 第28回

石井裕の“デジタルの感触”

テレビの未来

2008年01月26日 14時37分更新

文● 石井裕(MITメディア・ラボ教授)

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テレビの存在価値


 最近デジタルテレビを商品開発している企業の方々とMITで議論する機会があった。彼らが最もショックを受けたのは、私を含め、そこに集まったMITの教授/学生の約40%は自宅にテレビを持っていなかったという事実だった。「テレビがない家庭があるなんて理解できない。この文明社会に生きている人間ならば、何故テレビを見ないのですか」と、彼らに真顔で問いただされてしまった。

 しかたなく、私は「未来へようこそ」と答えて、ほほ笑んだ。

(MacPeople 2007年10月号より転載)


筆者紹介─石井裕


著者近影

米マサチューセッツ工科大学メディア・ラボ教授。人とデジタル情報、物理環境のシームレスなインターフェースを探求する「Tangible Media Group」を設立・指導するとともに、学内最大のコンソーシアム「Things That Think」の共同ディレクターを務める。'01年には日本人として初めてメディア・ラボの「テニュア」を取得。'06年「CHI Academy」選出。「人生の9割が詰まった」というPowerBook G4を片手に、世界中をエネルギッシュに飛び回る。



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