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突発企画 勝手に応援!委員会

REGZA ZはPCユーザーのための液晶テレビだ!

2007年12月26日 20時00分更新

文● 編集部 小西利明

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i.LINK経由で録る!

i.LINK接続のハイビジョンHDDレコーダー「Rec-POT EX」

i.LINK接続のハイビジョンHDDレコーダー「Rec-POT EX」。HDD容量は1TB。自身はチューナーを持たないため、i.LINK出力付きのテレビとセットで使うのが前提

 USB HDDやNASに加えて、REGZA Z3500ではi.LINK端子に接続したハイビジョンHDDレコーダーに、デジタル放送を録画できる。もっとも、“デジタル放送チューナーを内蔵しない”i.LINK接続対応ハイビジョンHDDレコーダーは、アイ・オー・データ機器の「Rec-POT EX」「Rec-POT R」シリーズ程度しか販売されていない。よって現状では、事実上Rec-POT専用機能と言える。

 i.LINK接続HDDも、最大8台まで接続できる。REGZA Z3500本体には2つのi.LINK端子が装備されているほか、Rec-POTシリーズがディジーチェーン接続で複数台を同時接続可能となっている。ちなみにREGZA Zシリーズの旧モデルでは、“i.LINK接続されたHDDレコーダーでしかおっかけ再生ができない”という制約があったが、REGZA Z3500はUSB HDDやNASでもおっかけ再生を行なえるので、i.LINK接続の優位点はあまりないように思える。

 しかしRec-POTシリーズで録画したデジタル放送番組は、i.LINK入力を備えたほかのデジタル放送対応HDDレコーダーにムーブできるという大きな利点がある(USB HDDやNASとのムーブは不可)。ムーブ先のレコーダーにBlu-rayディスクやHD DVDへのムーブ機能があれば、Rec-POTで録画した番組を、BDなどで長期保存することも可能というわけだ。

メールで録画予約できる!

 REGZA Z3500は単に録画するだけでなく、録画予約の手段も多数用意されている。なかでも利便性が高いのが、電子メールによる予約録画機能だ。REGZA Z3500を汎用LAN端子経由でインターネットに接続している場合、一定時間ごとにメール受信を確認して予約録画の情報が書かれたメールを見つけると、その情報どおりに録画予約設定を自動で行なう機能がある。

 メール受信に必要な設定は、パソコン用メールソフトとほぼ同様だ。POP3プロトコルで接続するメールサーバー名やメールアカウント、パスワード、受信確認間隔などを設定する。メール録画予約の結果をメールで通知するための送信メールサーバーの設定も行なえる。

メール受信に必要な設定は、一般的な電子メールソフトのそれと変わらない

メール受信に必要な設定は、一般的な電子メールソフトのそれと変わらない。SMTPサーバーアドレスは、録画予約確認メールを送信する際に使うので、確認メールが不要なら設定しなくてもよい

 メール録画予約に関する細かい設定では、録画予約の送信元メールアドレス(指定メールアドレス)、録画予約に必要なパスワード、録画するHDDを設定する。送信元メールアドレスとパスワードを設定することで、メールの誤認識で誤った録画予約が行なわれることを防いでいるわけだ。

メール録画予約の設定画面。パスワードを設定しないと、メール録画予約は使えない。また、「指定メールアドレス」に登録したアドレスからしか、録画予約を行なわない。面倒に見えるが、セキュリティーの確保という意味では合理的だ

 録画予約のメール作成は簡単で、メールの本文に特定の書式で必要な情報を書いて送信するだけだ。下の画面はそのサンプルで、「dtvopen」と書かれた部分が予約に必要な情報となる。パスワード、録画開始日時、終了時間、チャンネル番号などを記述するだけで、あとは受信したREGZA Z3500が解析して予約を行なう。

PC上で作成した予約録画用メールの例

PC上で作成した予約録画用メールの例。書式はごく単純で、覚えるのもたやすい録画対象HDDを指定することも可能だが、サンプルでは省略している

 予約録画に関する機能では、「連ドラ予約」という機能もある。これは連続番組などを続けて録りたい時に、番組のタイトル情報から任意のキーワードや基準となる日時を選んで予約すると、番組表を解析して条件にマッチする番組を録り続ける機能だ。最近のHDDレコーダーが備える高度な予約録画機能に比べればシンプルだが、十分に実用的な機能と言え、時間の変動が多い夜間~深夜の番組を録るのに役立つ。


随所に見える細かな改良に感心

 筆者はREGZA Zシリーズの初代機(37Z1000)を所有しているが、REGZA Z3500を試用していて感心したのは、随所に見られる改良による使い勝手の向上だ。

 i.LINK接続HDDやNAS、Windowsパソコンに対する録画は従来から可能であったが、USB HDDに対応したことで、より低コストかつ手軽にデジタル放送録画を行なえるようになった。安価なUSB HDDだけで録画ができるのは大きな利点だ。初代機ではi.LINK接続HDDだけに限定されていたおっかけ再生が、今では機器を選ばずに行なえる点も評価できる。

 また、REGZA Z1000の世代でNASに予約録画を行なう際には、指定した時間が来てからNASに対する操作を開始していたため、NAS側のHDDが省電力設定などで回転を停止していた場合、HDDの回転が安定するまで録画ができず、結果的に番組冒頭が録れないことがあった。REGZA Z3500ではそうした問題が起こらないように、録画開始時刻前にHDDの動作を開始する改良が加えられている。例えばUSB HDDがスタンバイ状態にあっても、録画開始5分ほど前には電源オン状態になり、開始直後から安定した録画を開始できる。こうした細やかな配慮には感心する。

 リモコン操作に対するレスポンスも機敏で、テレビやHDDレコーダーにありがちな“もたつき感”を感じさせない。テレビ本体でのウェブブラウジング機能やアクトビラ対応なども備えているが、PCユーザーとしてはあまり魅力を感じられないのは致し方ないところか。

 パソコンとの接続に関しても、Windows Vistaにも対応した設定方法が丁寧に記述されるなど、分かりやすく行なえるよう配慮されている。Windows Vistaのネットワーク共有設定はWindows XPのそれとかなり異なる部分が多いので、マニュアルできちんと説明されているのはありがたい。

 一方で、DLNAクライアント機能については詳しく触れられなかったが、現状では物足りない機能という印象をぬぐえない。対応する動画フォーマットがMPEG-2のみという制限があるため、多彩なフォーマットが混在しているパソコン上の動画を見るのには使えないためだ。REGZA Z3500とパソコンをHDMI経由で接続し、パソコンの画面を表示させて見る方が快適だろう。今後、REGZAのDLNAクライアントがWMVやH.264、あるいはFlash Videoなどにも対応するようになれば、DLNAクライアント機能にも価値が出てくるかもしれない。

 以上のように、USB HDDやNAS/Windowsパソコンへの録画など、PCの資産をデジタル放送録画に流用できるREGZA Z3500は、PCユーザーにベストマッチな液晶テレビである。デジタル放送対応テレビの購入を検討している人には、ぜひ候補に挙げてもらいたい製品だ。

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