ニコンの「COOLPIX S51c」は無線LAN機能を内蔵し、撮影画像を同社のオンライン写真保管サービスにアップロードできる製品だ。従来機である「COOLPIX S50c」(関連記事1、関連記事2)と基本的に同じコンセプトで、大きな変更こそないものの、本体/写真保管サービスともに、細かな機能を向上させているのが特徴だ。
CCDが高画素化、画像送信がより直感的に
まず本体の仕様に関しては、CCDがS50cの有効720万画素から有効810万画素に高画素化した程度の変更。光学3倍ズームレンズは、従来同様屈曲光学系を採用しており、レンズシフト方式の光学式手ぶれ補正にも対応する。背面に2.5インチ液晶ディスプレーとホイール/カーソル機能を持つマルチコントローラーを装備する点も同様だ。
それ以外の細かな変更点としては、これまで独立したボタンで用意されていたブレ軽減モードがシーンプログラムに移動したこと、連写速度がS50cの毎秒1.6コマから毎秒0.8コマに減っていること、撮影可能枚数が130枚から150枚に向上したこと(ともにCIPA測定基準)などが挙げられる。
外観上の違いとしては、本体上部左側にあるボタンが、S50cでは「手ぶれ軽減」ボタンと「フェイスクリア」(顔検出)ボタンだったのに対し、本機では「フェイスクリア」および「ピクチャーメール」という機能となった点が目に付く。
本機は従来同様、インターネットを利用した画像保管サービス「ピクチャーバンク」と画像メールサービス「ピクチャーメール」をサポートしているが、専用ボタンの追加によってさらに簡単に使えるようになった。
操作方法も、再生時(または撮影時)にボタンを押すと、画像選択と送信先を選択する画面が表示され、そこで必要な項目を選ぶだけと簡単だ。無線LANのアクセスポイントが近くにない場合でも、メール送信を予約できる点も便利である。なお、ピクチャーメールは、画像を直接メールで送るのではなく、ニコンのサーバーを介して画像を受け渡す仕組み。画像を送りたい相手にURL付きのメールが送られ、受け取った相手はそこからダウンロードする。
操作感に関してもS50cと大きな変更はない。スリムボディー機としてはやむを得ないことではあるが持ちにくく、特にボディー右側に向けて薄くなっていくデザインは指がかかりにくい点や、不用意に上面の電源ボタンが入りやすいのも気になった。
撮影画像に関しても特にS50cから変わった印象は画素数以外になく、やや地味な発色とはいえ描写はしっかりとしており、屈曲光学系を搭載するコンパクト機としてはかなり写りのいい部類と言えるだろう。