品質監査は嫌ってはいけない
品質保証の方法の1つに「品質監査」あります。品質監査とはプロセスがルールどおりに進められているかをチェックする作業で、通常プロジェクト外の第3者が行ないます。工程の途中で定期的に行なうことで、ルール違反を発見し、プロジェクトが違う方向に進むことや品質の維持が困難になる状況を回避できます。特に、上流工程は、ルールに反して簡単に済ませようと思えばできてしまうので、しっかりした管理が必要となります。
しかし、このように重要な作業にも関わらず、品質監査はしばしばプロジェクトマネージャーにはイヤがられます。それは、内部で品質保証が徹底できていないということがあるかもしれません。しかし、品質監査をする監査人からの意見は、仮に厳しく指摘されたとしても真摯に受け止めるべきです。その指摘は、プロジェクトをよりよい方向に導くでしょう。
監査人に意見を求めるくらいの姿勢が大切
現場でも品質監査で何も指摘されなければそれを“よかった”と考える傾向が強いようです。しかし、指摘が何もないということは、それ以上、品質が向上することはないことを意味すると捉えてください。そして実際は、指摘することがないというのはありえないはずです。無駄なプロセスはないか、改善するところはないかなどを監査人が指摘し、プロセスをよりよくするのが品質監査の本来の役割だと考えるといいでしょう。
プロジェクトマネージャーは、進んで品質監査を受ける姿勢が大切です。常にルールどおりにプロジェクトを進行させていれば、本当は何の問題もなく、監査人にも「何も指摘することがない」と言われることでしょう。でもそこで、きっと何かあるはずだと考えて、「他のプロジェクトではどんなことをしていましたか」とか「これまでにうまく行った方法はありますか」と聞き出すくらいの意識があってもよいと思います。品質監査はダメな点を指摘するためではなく、改善のための意見を聞く機会だということを今一度考えてみてください。監査人の指摘がよりよいプロセスを生み、そのプロセスによって品質が高まるのです。
プロジェクト成功のポイント
・品質保証はプロセスを管理することで、成果物の品質を保つという考えである
・品質監査はよりよい品質のために喜んで受けるべきである
・あまり厳しいルールを決めてしまうと、品質保証が機能しない
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